さくらのまち
出版社名 | 実業之日本社 |
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出版年月 | 2024年10月 |
ISBNコード |
978-4-408-53866-2
(4-408-53866-3) |
税込価格 | 1,980円 |
頁数・縦 | 299P 19cm |
NetGalley 会員レビュー
おすすめ度 嘘であってほしくないが、嘘でないという言葉を信じられる心理状態ではない。いっそ嘘だと受け入れて楽になりたい。そんな危うい思春期を襲う、想像力という名の妄想が生んだ残酷な独り善がりを切実に描いた作品。自分を、そして他人を、どうにかして理解しようとする烏滸がましさと、知りたいという特別な感情が人を動かす貴重な原動力になっているという事実を、どう受け止めるのか。人間関係、延いては人間であり続ける事に悩んでいるすべての人に読んでもらいたい一冊。絶望も、希望も、どちらも感じ取れ、どちらに自分の心が惹かれるかで、今の自分の危うさを図るバロメーターにも。発想がとても面白かった。
おすすめ度 物語の設定が、絶妙に登場人物の心理や真実に作用していて、終盤になるにつれてつかみどころのなかった澄香の人物像がはっきりと見えてくる。思い込みと疑心暗鬼が生んだ悲劇の物語。信じることの大切さが伝わってくる。だからって、今を生きる人々にとって、手放しで人の善意を素直に信じられるほど単純な世の中じゃないから、人を信じるには、強い思いと覚悟が必要になってきているのかなぁ、と思います。ちょっと前まではもう少し簡単にできていたような気がするのに。
おすすめ度 私達の日常でも、自分の為に、相手の為にと、ふりをしたりする場面があり、作品の世界観がリアル過ぎて、胸をえぐられるような錯覚に陥った。人ごととは思えないと感じさせるリアリティと創作とのバランスが最高で、何度も心を動かされた。「偽りの人間関係は一切ない」と言い切れないからこそ、人との繋がりの大切さや、お互いの気持ちを通わせ合う努力が必要なのだと深く心にしみた。 上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ) NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。 |
商品内容
要旨 |
「高砂澄香が自殺しました」澄香―それは彼の青春を彩る少女の名で、彼の心を欺いた少女の名で、彼の故郷を桜の町に変えてしまった少女の名だ。澄香の死を確かめるべく桜の町に舞い戻った彼は、かつての澄香と瓜二つの分身と出会う。あの頃と同じことが繰り返されようとしている、と彼は思う。ただしあの頃と異なるのは、彼が欺く側で、彼女が欺かれる側だということだ。偽りの人間関係―「サクラ」本音と建て前。人の「本当」が見えなくなった現代の、痛く悲しい罪を描く圧巻の青春ミステリー! |
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出版社・メーカーコメント
偽りの人間関係−「サクラ」。本音と建て前。人の「本当」が見えなくなった現代の痛く、悲しい罪を描く、圧巻の青春ミステリー。