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嗤う伊右衛門

出版社名 中央公論新社
出版年月 2024年10月
ISBNコード 978-4-12-005847-9
4-12-005847-6
税込価格 3,080円
頁数・縦 413P 20cm

商品内容

要旨

お岩様、善くお聞きなせえ。世間の下司どもがお前様を笑うのは、そのお顔の疵が醜い所為じゃあ御座居ませんぜ。そンな隠せば隠せるものを隠さねえ。飾りもしねえし恥かしがりもしねえ、そんな強エお前様が、世間は怖えんだ。怖えから嗤うんでさあ。その気があるなら婿を探して参りやしょう。小股潜りの技を見込まれ、民谷家の一人娘・岩の仲人口を頼まれた御行の又市は…泉鏡花文学賞受賞作。

出版社・メーカーコメント

幽晦との境界が−−破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。ならばそこから夜が染みて来る。生まれてこのかた笑ったこともない生真面目な浪人、伊右衛門。疱瘡を病み顔崩れても凛として正しさを失わない女、岩−−四谷怪談を江戸の闇に花開く極限の愛の物語へと昇華させた第25回泉鏡花文学賞受作。「巷説百物語」シリーズ・御行の又市の物語はここから始まった。〈解説〉高田衛〈対談〉高田衛×京極夏彦「生きている怪談」

著者紹介

京極 夏彦 (キョウゴク ナツヒコ)  
1963年生まれ。94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で第四九回日本推理作家協会賞(長編部門)、97年『嗤う伊右衛門』で第二五回泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で第一六回山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で第一三〇回直木三十五賞、11年『西巷説百物語』で第二四回柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で第五六回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)