フロイトとベルクソン
講談社学術文庫 2860
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2025年3月 |
ISBNコード |
978-4-06-538783-2
(4-06-538783-3) |
税込価格 | 1,760円 |
頁数・縦 | 353P 15cm |
商品内容
要旨 |
ジークムント・フロイト(一八五六‐一九三九年)とアンリ・ベルクソン(一八五九‐一九四一年)。ウィーンとパリで同じ時代を生きた二人は、同じ知のネットワークに属し、同じ対象に関心をもって、それぞれ独自の思索を展開したにもかかわらず、直接の関わりはないまま終わった。この不思議な事実に潜む思想のドラマを克明に描ききった渾身の論考。 |
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目次 |
プロローグ |
出版社・メーカーコメント
ジークムント・フロイト(1856−1939年)とアンリ・ベルクソン(1859−1941年)。ウィーンとパリで同じ時代を生きた二人は、同じ知のネットワークに属していたばかりか、同じ対象に関心を抱き、独自の思索を展開した末、対極から同じ領域に迫ろうとした。しかし、彼らには直接の交流はおろか、著作での言及も皆無に等しい。この謎めいた事実は何を意味するのか−−本書は、この問いに挑み、二人の知の巨人を隔てる深淵に肉薄する。著者は言う。「精神医学にせよ、哲学にせよ、およそ学問的な企てが総じて追求しているのは、人間の幸福だと言っていいだろう。つまり、幸福を否定してくる不幸事の調査研究も含めて、人生の幸不幸の研究こそが、いっさいの学問の根本の任務なのである」(第5章)。この「幸不幸」という問題に決着をつけるために、著者は「フロイトとベルクソン」という問いに到達した。だが、その問いは著者が生み出したものではなく、「この二人の「無意識の発見者」から発せられていると強く実感される」ものだった。本書は人間と切り離せないこの問題に向き合うすべての人への贈り物である。[本書の内容]プロローグ小林秀雄の声を聴いたこと/直覚された二人の関係第1章 生同時代人/誕生の頃/修学時代/無意識・心の基体の発見/ユングという体験/ミンコフスキーの精神病理学/晩年/再び、直覚された二人の関係に焦点を合わせる第2章 夢記憶の円錐体について/ベルクソンの「夢」の講演/『夢解釈』の裏側の世界/冥界への歩み、果てしなく/快原理のもろさ/刺激保護膜の無機物的性質/快原理の/夢の「彼岸・前史」/涅槃原理のほうへ/無意識から、無意識へ/ベルクソンという覚醒第3章 抑 圧ベルクソンの思索と「抑圧」メカニズム/抑圧されたものとエスについて/生命のダブル・バインド/円錐体という意味過剰の渦動/「一ツの脳髄」から「感想」の破綻(終焉)へ…ほか