木に「伝記」あり 巨樹イチョウの史料を探して全国を歩く
朝日選書 1048
出版社名 | 朝日新聞出版 |
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出版年月 | 2025年4月 |
ISBNコード |
978-4-02-263139-8
(4-02-263139-2) |
税込価格 | 2,640円 |
頁数・縦 | 352P 19cm |
商品内容
要旨 |
ある日、著者のもとに植物学者から共同研究への誘いの手紙が届いた。全国の巨樹イチョウを調べているが、中国・朝鮮半島から日本に渡来した時期を科学的な根拠によって明かしたい、歴史研究者のあなたの協力を得たい、という。植物学者の圧倒的な熱意に衝き動かされた著者は、ここからイチョウの史料調査に正面から取り組む。記録、古文書などイチョウに関するあらゆる文献を求めて全国を歩くなか、ある郷土史家が残した一冊の本に出会う。そこには江戸中期、将軍吉宗が引き起こした美作国・菩提寺のイチョウにまつわる村の大事件が記されていた。イチョウ関係でこれほどの古文書は世界を探しても他にないだろう。それはどんなイチョウか。また稀有な史料を書き写した郷土史家とは。歴史研究者が綴るあくなき史料探求の道。 |
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目次 |
第一章 なぜ巨樹イチョウか―そもそもの私のミッション |
出版社・メーカーコメント
全国で多くの人を魅了する巨樹イチョウ。各地で天然記念物として保護され、巨樹それぞれに由緒が伝えられている。じつは日本で見られるイチョウは南北朝時代以後に大陸からもたらされ、人の手によって植え広められたものである。なぜそこに植えられたのか。垂乳根イチョウなど日本独自の信仰が起こったのはなぜか。木と日本人との関わりを追究してきた著者は、全国を跋渉して巨樹イチョウの諸史料を集めた。なかでも美作菩提寺イチョウに起こった江戸時代の事件の詳細を記した史料を発見。事件の顛末と守り伝えてきた人々の奮闘を見出した。そこにある樹木が見せる思いがけない歴史の姿を浮き彫りにする。