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孤島論

出版社名 インスクリプト
出版年月 2025年4月
ISBNコード 978-4-900997-94-3
4-900997-94-3
税込価格 3,740円
頁数・縦 409P 20cm

商品内容

要旨

遠く置き去りにされた土地を経巡り、多数の写真、歴史地誌、文学作品を紐解きながら、その風景に身を晒しつつ綴る、類のない思考の軌跡。島とは何か。所在なく孤絶してあるその特質に私たちの生きる場所を重ね、非所有の共同性に厳粛な希望を託すに到る、現在批評の誕生!「残置された風景」を撮り続けて現代を代表する写真家、北島敬三、笹岡啓子、露口啓二を論じる決定的論考も収録。島になっていく私。

目次

孤島論
遠近―東北と種差
似島の位置
島の印―宮本隆司の写真と徳之島アートプロジェクト
入植と先住―長万部と掛川源一郎の写真
自然の表現―露口啓二『自然史』
写真史の死角から―露口啓二『移住』
望来―大友真志“Mourai”
ダイヤモンド・ヘッドと水田
ヒロ―気だるさについて
地中という空間―カラウパパ、石巻、花巻
風景以後―北島敬三の写真
しひあかりの身体性―豊島重之の思考について
後の世界に―笹岡啓子の写真

出版社・メーカーコメント

島とは何か。写真評論を超えて新生面を拓く、渾身の批評集成!南大東島、北大東島、種差、似島、徳之島、ハワイ、そして北海道、青森、福島…。「本土」や「中央」から遠く離れ、置き去りにされた土地を経巡り、数多くの写真、歴史地誌、文学作品を紐解きながら、その風景に身を晒しつつ綴る、類のない思考の軌跡。「「島」は、都市の内なる外部(ゲットー)や、都市の周縁から遠隔の地までの何処かにあって、排除され囲い込まれてある一定の閉じた区画を指すだろう」(本文より)。本書は、残置された風景に目を向けて、日本列島内に現にある植民地構造を炙り出し、私たちの生きる場所を鋭く問い直すアクチュアルな評論集です。現代を代表する写真家、北島敬三、笹岡啓子、露口啓二を論じる決定的論考収録。他に、宮本隆司、掛川源一郎、大友真志、豊島重之らの作品論併録

著者紹介

倉石 信乃 (クライシ シノ)  
1963年長野県生まれ。詩人・批評家。明治大学理工学部総合文化教室教授。1989年から2007年まで横浜美術館学芸員を務めた。単著に、『スナップショット 写真の輝き』(大修館書店、2010年。日本写真協会学芸賞受賞)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)