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政治哲学講義 悪さ加減をどう選ぶか

中公新書 2850

出版社名 中央公論新社
出版年月 2025年4月
ISBNコード 978-4-12-102850-1
4-12-102850-3
税込価格 990円
頁数・縦 253P 18cm

商品内容

要旨

正しさとは何かを探究してきた政治哲学。向き合う現実の世界は進むも退くも地獄、「よりマシな悪」を選んでなんぼの側面をもつ。命の重さに違いはあるのか。汚い手段は許されるか。大義のために家族や友情を犠牲にできるか。本書はサンデルの正義論やトロッコ問題のような思考実験に加え、小説や戯曲の名場面を道しるべに、「正しさ」ではなく「悪さ」というネガから政治哲学へいざなう。混迷の時代に灯火をともす一書。

目次

第1章 「悪さ加減の選択」―ビリー・バッドの運命
第2章 国家と個人―アンティゴネーとクレオーンの対立
第3章 多数と少数―邸宅の火事でフェヌロンを救う理由
第4章 無危害と善行―ハイジャック機を違法に撃墜する
第5章 目的と手段―サルトルと「汚れた手」の問題
第6章 自国と世界―ジェリビー夫人の望遠鏡的博愛
第7章 戦争と犠牲―ローン・サバイバーの葛藤
第8章 選択と責任―カミュが描く「正義の人びと」
終章 政治哲学の行方

出版社・メーカーコメント

政治社会のあるべき姿や正義論を探究してきた政治哲学。大義のために家族や友情を犠牲にできるか。汚い手段は許されるか。ハイジャック機を追撃すべきか。敵国民間人は殺めてよいのか。世界は進むも地獄・退くも地獄だらけ、「よりマシな悪」を選んでなんぼの側面をもつ。本書は小説や映画の名場面を道しるべに、「正しさ」ではなく、「悪さ」というネガから混迷を深める時代に灯火をともす。新たな政治哲学入門への招待。

著者紹介

松元 雅和 (マツモト マサカズ)  
1978年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。島根大学、関西大学を経て、2018年より日本大学法学部准教授、20年同教授。専攻は、政治哲学・政治理論。単著『平和主義とは何か―政治哲学で考える戦争と平和』(中公新書、2013年。第35回石橋湛山賞)など。国内外の学術誌に掲載されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)