• 本

シャルビューク夫人の肖像

出版社名 武田ランダムハウスジャパン
出版年月 2006年7月
ISBNコード 978-4-270-00134-9
4-270-00134-8
税込価格 2,090円
頁数・縦 445P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 著者のジェフリー・フォード氏は1955年生まれのアメリカ人作家。創作ジャンル的にはミステリと幻想文学に属する。1997年の長編『白い果実』は批評家から激賞され、同年の世界幻想文学大賞を受賞することになる。この作品は、奇しくも同年生まれの伝説的幻想作家、山尾悠子さんが翻訳を手掛けたことで話題となり、わが国でも読書界から大きく注目された。さて、この作品は1893年のニューヨークが舞台。主人公の肖像画家ビアンボが謎の貴婦人から、姿は隠したまま彼女の語る話だけから想像して肖像画を描くという奇怪な依頼を受けるところからこの物語は始まる。彼女の話は奇抜だが、物語はきちんと時系列に沿って進行してゆくので、すいすい読める。友人のフェンツとともに、シャルビューク夫人の正体を探ってゆく謎解きも楽しめる。ミステリとしても上質の1冊。(のり)

    (2008年1月23日)

商品内容

要旨

好況に沸く19世紀末のニューヨーク。肖像画家のピアンボに突然声をかけてきたのは、両目が白濁した盲目の男。シャルビューク夫人の使いと称し、法外な報酬を口にして、肖像画の制作を依頼してきた。ただし、屏風の向こうで夫人が語る過去の話とその声だけで、姿かたちを推測しなければならない、という奇妙な条件付きで。謎の霊薬、人糞占い師、血の涙を流しては死に至る奇病の流行―夫人の荒唐無稽な語りを聞くようになってからというもの、ピアンボの周辺でも不可思議な事が次々と起こるようになり…。世界幻想文学大賞受賞作家による最高傑作。

著者紹介

フォード,ジェフリー (フォード,ジェフリー)   Ford,Jeffrey
1955年生まれ。米国の作家。1997年の長篇The Physiognomy(『白い果実』国書刊行会)を発表するやニューヨーク・タイムズ紙で激賞され、翌年、世界幻想文学大賞を受賞し、世界各国で翻訳刊行された。また本書でも2003年度世界幻想文学賞にノミネートされ、米国ファンタジイ小説界での評価を不動のものとする。さらに最新作のGirl in the Glassでは2006年度MWA最優秀ペーパーバック賞を受賞し、ミステリ小説界からも脚光を浴びた。ニュージャージー州在住
田中 一江 (タナカ カズエ)  
東京都出身。東京女子大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)