１９５１年に初版が発行され、それ以降ほとんど復刻される機会に恵まれなかったエッセイ集。原始時代の音楽からジャズやストラヴィンスキーなどの現代音楽までを分析し、「音楽とは何か」という疑問をわかりやすく解き明かしていきます。当時の西洋音楽中心だった楽壇において、東洋（日本）音楽の位置づけや民族音楽についての項目もあり、広い視野からの音楽論は伊福部昭ならではのユニーク内容です。交響楽作品や映画音楽など代表作は数多いのですが、いままで発表されたエッセイは少なく、貴重な資料といえましょう。