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住み家殺人事件 建築論ノート

出版社名 みすず書房
出版年月 2004年8月
ISBNコード 978-4-622-07089-4
4-622-07089-8
税込価格 2,200円
頁数・縦 200P 22cm

商品内容

要旨

阪神大震災、9・11以後も新たに林立しつづける超高層。私たちはいま一度、根底的に住むことを問わなければならない。『乱歩と東京』『うわさの遠近法』『群衆』の著者による縦横無尽の建築原論。

目次

ちいさな緑のお家の中に、ちいさな金色のお家がひとつ。
「だァれがころした、こまどりのおすを」「そォれはわたしよ」すずめがこういった。
いきなりばんばら藪へとびこむと、眼玉がポンポンひんむけた。
ふたりの間中を、ちょとごらん、お皿はすべすべなめてある。
ねこがもうします。「お天気はどうでしょね」
ねてもねられずおおよわり、頭の髪毛もめっちゃくちゃ。
大きな木をきり、大きなその海にどしんとたおしたら、
おまけに、こっぴどくひっぱたき、ねろちゅば、ねろちゅば、このちびら。
もそっとおわんがしっかりさえしてりゃ、ここらでこの歌もきれやしまい。
一切空ちゅうおばあさんがどこかしらにござった。
むしゃむしゃ、がぶがぶ、ぐずりばば、ぶつぶつぶつぶつまだやめぬ。
さあきた、手燭がお床へおもあえをてらしにきた。さあきた、首切り役人がおまえのそっ首ちょんぎりに。
石だけぽっつりのォこった。たったひとりのォこった。ファ、ラ、ラ、ラ、ラルド。
それでも、どの面がいちばんおすきか、やっぱり御本人でおいいやれぬ。
お釘がへれば、蹄鉄うせる。

出版社
商品紹介

阪神大震災や9・11以後の建築という営為をテーマに展開していくアクチュアルなエッセイ。作家・評論家で知られ数々の賞を受賞している著者の建築随想。

おすすめコメント

新たに林立しつづける超高層。私たちはいま一度、根底的に住むことを問わなければならない。縦横無尽の建築原論。

著者紹介

松山 巌 (マツヤマ イワオ)  
1945年、東京に生まれる。東京芸術大学美術学部建築科卒業。作家、評論家。評論・エッセイ『乱歩と東京―1920都市の貌』(PARCO出版1984、ちくま学芸文庫1994、双葉文庫1999/日本推理作家協会賞)『うわさの遠近法』(青土社1993、講談社学術文庫1997、ちくま学芸文庫2003/サントリー学芸賞)『群衆―機械のなかの難民』(読売新聞社1996/読売文学賞)、小説『闇のなかの石』(文芸春秋1995/伊藤整文学賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)