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お風呂の歴史

文庫クセジュ 897

出版社名 白水社
出版年月 2006年2月
ISBNコード 978-4-560-50897-8
4-560-50897-6
税込価格 1,320円
頁数・縦 168,2P 18cm

商品内容

要旨

庶民がくつろぐ蒸気風呂、マリー・アントワネットの浴槽サロン、セーヌ川に浮かぶ船上水浴施設…かつて西洋には、かくも豊かなお風呂文化があった。本書は、古代からの入浴の歴史をさまざまな逸話とともに紹介してゆく。快楽と禁欲のあいだで揺れる人びとの姿を浮き彫りにした、親しみやすい風俗史。

目次

第1章 古代(ギリシア世界における入浴とマッサージ
ローマ世界における入浴の大発展)
第2章 中世(中世初期、西欧では水浴が減っていった
十三世紀と十四世紀、人びとの生活になじんだ湯浴場)
第3章 ルネサンス―入浴の衰頽(イタリア・ルネサンスと古代の衛生習慣
十五世紀以降、人びとは水に無関心になってゆく
十六世紀の医学論)
第4章 十七世紀と十八世紀(十七世紀、水に対する警戒心
十八世紀後半、水は見直される
個人の入浴と集団の入浴)
第5章 十九世紀(十九世紀の衛生法と羞恥心
衛生の個人化と大衆化
大衆的な入浴と海水浴)

おすすめコメント

フランスでは、毎日身体を洗う人の割合は40パーセント! 1850年頃の人びとは、2年に一回しか入浴しなかった! それというのも、熱い風呂は、毛穴を開き有害な菌が体内に入ると考えられて避けられ、ペストや梅毒の流行がそれに拍車をかけたのだった。肉体を蔑視し、快楽を遠ざけるキリスト教の影響もあり、身体を布で拭き、衣装のレースを替えるだけだった。とはいえ、庶民がくつろぐ蒸気風呂や娼館のような混浴風呂、王妃アントワネットの浴槽サロンなど、かつてはお風呂を楽しむ文化もあったという。本書は、古代からの入浴の歴史をさまざまな逸話とともに紹介する。快楽と禁欲のあいだで揺れる人々の姿を浮き彫りにした、親しみやすい風俗史。

著者紹介

高遠 弘美 (タカトオ ヒロミ)  
1952年長野県生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。フランス文学専攻。明治大学商学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)