• 本

トルコ近現代史 イスラム国家から国民国家

出版社名 みすず書房
出版年月 2008年5月
ISBNコード 978-4-622-03388-2
4-622-03388-7
税込価格 4,950円

商品内容

要旨

イスラムの守護者として常にキリスト教世界と対峙し、東地中海に君臨した栄光のオスマン帝国。その実体は、多くの異教徒を抱え込みながら緩やかな統合を実現する「イスラム国家」だった。本書が描くのは、その帝国が西洋との絶えざる交渉の中で、中央集権的な「国民国家」への変身を志し、もがき苦しみつつそれを果たしていく過程であり、また、多大の犠牲を払ってたどり着いた「国民国家」が決して終着駅ではなかったことに気づき懊悩する姿である。近代トルコの味わった興奮と痛みは、おそらくその一国のみの経験ではあるまい。イスラム世界に関心を抱く読者にとって、本書は絶好の水先案内となるだろう。内外における最新の研究を見据えて書き下ろした、気迫あふれる通史である。

目次

カルロヴィッツ
前提―一八世紀のオスマン帝国
改革への序章―セリム三世と「新体制」
中央集権化への道―マフムート二世の時代
タンズィマートの時代(一八三九年〜一八七六年)
立憲政と専制政治(一八七六年〜一九〇八年)
第二次立憲政の時代(一九〇八年〜一九一八年)
独立戦争の展開とトルコ共和国の成立(一九一八年〜一九二三年)
一党支配の時代(一九二三年〜一九四五年)
複数政党制への移行(一九四五年〜一九五〇年)
民主党の時代(一九五〇年〜一九六〇年)
第二共和制の時代(一九六〇年〜一九八〇年)
第三共和制―二一世紀を迎えるトルコ

著者紹介

新井 政美 (アライ マサミ)  
1953年、東京に生まれる。1976年、東京大学文学部東洋史学科卒業。1984年、同大学院東洋史専攻博士課程修了。大阪市立大学文学部助教授(史学教室)、東海大学文学部教授(文明学科・西アジア専攻)などを経て、東京外国語大学外国語学部教授(トルコ語専攻)。オスマン帝国史、トルコ近代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)