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楽市論 初期信長の流通政策

叢書・歴史学研究

出版社名 法政大学出版局
出版年月 2009年4月
ISBNコード 978-4-588-25055-2
4-588-25055-8
税込価格 6,930円
頁数・縦 300,15P 22cm

商品内容

要旨

尾張統一から美濃併合を経て、上洛・石山合戦に至る過程で、織田信長が発した、岐阜・金森・安土宛て「楽市令」はじめ、熱田八カ村、知多郡・篠島商人、尾張鋳物師、瀬戸商人団等々宛て、流通政策文書を精細に解読・分析する。「免許」「免除」文言の同一視、小野晃嗣らによる「完全な課税免除の市場」という定説、それらに依拠した諸研究、とくに近年勝俣鎮夫・網野善彦らが強調した「無縁」「縁切り」原理の根拠を批判的に検証、近世城下町における「道路強制」も石山合戦時の信長の経済政策に淵源することを実証して、楽市楽座研究に斬新な問題提起を行なう。

目次

序 楽市論への招待
1 尾張統一へ―往反の自由(熱田八カ村宛て制札―都市熱田の成立
知多郡・篠島商人宛て自由通行令―保護の見返り
水野太郎左衛門―鋳物師の縄張り ほか)
2 美濃併合へ―楽市令の登場(尾張二宮宛て定書―信清と弓矢徳政
富士大宮楽市令―今川権力の排除
上加納楽市令―寺内町から楽市場へ)
3 上洛から石山合戦へ―市場強制・道路強制(苻中府宮宛て定書―通行の自由から強制へ
金森楽市令―寺内町の換骨奪胎
安土楽市令―大坂並体制の克服)

出版社
商品紹介

信長「楽市令」の、特に「免許」「免除」等の徹底的な分析により、「課税免除の市場」論、「無縁」「縁切り」の場論を批判的に検討。

出版社・メーカーコメント

織田信長が発した、天文18年「熱田八ヶ村宛て制札」から天正5年「安土山下町中宛て定書」に至る「楽市令」および関連文書の文言、とりわけ「免許」「免除」などの徹底的な分析・解釈の試み。小野晃嗣による「完全な課税免除の市場」という定説とそれに依拠した諸研究、近年の勝俣鎮夫・網野善彦らの「無縁」「縁切り」の場論を批判的に検討し、楽市・楽座政策の展開とその本質を追究する。

著者紹介

安野 眞幸 (アンノ マサキ)  
1940年横須賀に生まれる。64年東京大学文学部卒業。73年東京大学大学院国史学博士課程満期退学。76年弘前大学教養部講師。2006年弘前大学教育学部教授定年退職。同年聖徳大学人文学部歴史文化コース教授。著書に『バテレン追放令』(日本エディタースクール出版部、89年。サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)