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記憶を和解のために 第二世代に託されたホロコーストの遺産

出版社名 みすず書房
出版年月 2011年8月
ISBNコード 978-4-622-07631-5
4-622-07631-4
税込価格 4,950円
頁数・縦 304,13P 20cm

商品内容

要旨

はるか彼方のホロコーストをどう理解し、その意味を伝えていけばよいか。繋ぐ存在としての「私」や第二世代とは。記憶の政治学を超えた、未来へのまなざしの書。

目次

1 ホロコーストという寓話
2 心に刻みこまれた物語
3 語られた物語
4 倫理の地平へ
5 手渡された記憶
6 過去への旅
7 過去から現在へ

出版社
商品紹介

虐殺や収容所体験をしたユダヤ人の親の下に育った子どもたちは、媒介者として、親たちの記憶をいかに現在と未来につないでいくべきか。

おすすめコメント

〈ホロコーストを引き継ぐ使命は、私たちのもとに手渡された。第二世代は、まさに過去と現在を繋ぐ世代なのだ。すでに受容され、世界に向けて詳らかにされたホロコーストの事実は、歴史や神話に変容されてきた。私たちの世代は、いまいちどショアから導き出される多くの問いかけに対して、現在とのつながりにおいて考えることができるはずだ。この本は、そのような問いをめぐる一人の人間の思索であり、終わりなき苦難の歴史への長い応答である〉著者は1945年にポーランドのクラクフに生まれた。ホロコーストを体験してきたユダヤ人の両親の下に育ち、家族とともにカナダに移住した著者は、日々の両親の沈黙や、時に発せられる過去の悲惨についての語りに戸惑いながらも、しだいに、彼ら第一世代の事実や思いを受け止め、自分自身の、そして第二世代の課題にしてゆく。はるか彼方のホロコーストをどうやって理解すればよいのだろう? 現在を生きる私たちにとって、ホロコーストがもつ意味は何なのだろう? その意味を次の世代に伝えていくにはどうすればよいのだろう?記憶とは、歴史とは、文学とは、アイデンティティとは、正義とは? 本書は、同時代や未来を生きる人びとに宛てた、自分自身との真摯な対話の書である。

著者紹介

ホフマン,エヴァ (ホフマン,エヴァ)   Hoffman,Eva
1945年、ユダヤ人の両親のもとにポーランドのクラクフに生まれる。13歳でカナダに移住。アメリカのライス大学で英文学を学び、ハーバード大学大学院で博士号を取得。1979年より1990年まで『ニューヨーク・タイムズ』の編集者として活躍。1989年にノンフィクションとして高い評価を得た自伝Lost in Translation:A Life in a New Languageを出版し、作家生活に入る。現在イギリスに在住
早川 敦子 (ハヤカワ アツコ)  
1960年生まれ。津田塾大学大学院文学研究科博士課程修了。英国エディンバラ大学大学院、オックスフォード大学大学院留学。現在、津田塾大学学芸学部英文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)