アルジェリアの民族学者として出発し、第二次大戦中には対独レジスタンスに身を投じたティヨンは、ナチス絶滅収容所の地獄を生き延びた戦後も、母国フランスのおこなう植民地戦争への抵抗をつづけた。家族や仲間を失いながらも、全体主義・植民地主義のもたらした暴力と憎悪に尊厳をもって立ち向かった歴史家の断片的自伝を再構成し、２０世紀の人間的経験を伝える証言の書。

１　アルジェリアの民族学者（一九三四‐一九四〇年）
２　レジスタンスと牢獄（一九四〇‐一九四三年）
３　強制収容所送り（一九四三‐一九四五年）
４　強制収容所出所後の時期（一九四五‐一九五四年）
５　アルジェリア戦争（一九五四‐一九五七年）
付録

強制収容所やアルジェリア戦争の暴力に抵抗した女性民族学者の断片的自伝を再構成し、二十世紀の人間的経験を未来に伝える証言の書。