幾世の底より 評伝・明石海人
出版社名 | 白水社 |
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出版年月 | 2016年12月 |
ISBNコード |
978-4-560-09522-5
(4-560-09522-1) |
税込価格 | 7,260円 |
頁数・縦 | 515P 20cm |
商品内容
要旨 |
ハンセン病と闘いながら生きる希望と家族への愛を歌い続けた幻の大歌人。 |
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目次 |
明石海人とは |
おすすめコメント
ハンセン病と闘った幻の大歌人 昭和13年、改造社が『新萬葉集』を刊行する際、全国から募った短歌の中に、齋藤茂吉、釈迢空、与謝野晶子ら審査員をひときわ驚かせる作品があり、うち11首が収録され、全く無名の歌人が彗星のごとく世に躍り出た。それらの作品は、国立らい療養所・長島愛生園で療養しているハンセン病患者からのものだった。のちにベストセラーとなる歌集『白描』の作者、明石海人である。当時彼はすでに失明しており、作品は口述筆記での応募だったが、『新萬葉集』刊行後、彼の歌を絶賛する評論が相次ぎ、「現代の万葉調」随一の作者だという世評も高まっていった。しかしその2年後、幻の大歌人はわずか37年の生涯を閉じることになったのである。本書は前作『知の巨人 評伝生田長江』に続き、ハンセン病作家への並々ならぬ畏敬の念を抱く著者が、酷い差別偏見にさらされ、過酷な宿命に翻弄されながら、生きる希望と家族への愛を歌い続けた歌人の生涯を、地を這うような取材を基に浮かび上がらせた、渾身の力作である。表題は代表作の一つ「さくら花かつ散る今日の夕ぐれを幾世の底より鐘の鳴りくる」から。