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病いの語りによるソーシャルワーク エンパワメント実践を超えて

出版社名 金剛出版
出版年月 2018年10月
ISBNコード 978-4-7724-1644-3
4-7724-1644-7
税込価格 3,300円
頁数・縦 237P 21cm

商品内容

要旨

本書では、精神の病いそのものと社会の偏見によってパワーを喪失した精神障害をもつ人々が、いかにして自らの声を取り戻し、病いをもちながらも自分らしい生活を再構築していくのか、その当事者と協働する援助専門職のエンパワメントに基づく支援モデルを提示した。その支援の独自性として、病いの語りに着目したことがある。病いの語りには、精神の病いを経験することで得た生活の知恵をが織り込まれていることに特性がある。本書で紹介したソーシャルワークの実践的研究では病いの語りの特性に価値を置き、語りそのものがもつ力を、ミクロレベルを超えてメゾレベル、エクソ・マクロレベルの実践への活用に試みた研究である。その一方で、精神障害者のエンパワメントを目指した実践を試みる援助専門職がもつ権力性にも言及している。

目次

第1部 病いの「語り」とエンパワメントの理論(「研究者の私」による「援助専門職の私」の当事者研究
エンパワメントを志向するソーシャルワーク実践の理論的枠組み
エンパワメントと病いの語りの関連性)
第2部 病いの「語り」とエンパワメントの実践(語り部グループ「ぴあの」の教育講演会活動の実践的枠組み
当事者が物語る病いの語り
「リカバリーの物語」の生成過程における援助専門職の機能と役割
公共の場における語りは精神障害者に何をもたらしたのか
公共の場における語りが社会変革をもたらす可能性)
第3部 「援助専門職の私」の当事者研究(エンパワメントを志向する実践を超えて)

著者紹介

栄 セツコ (サカエ セツコ)  
1997年3月大阪市立大学大学院生活科学研究科人間福祉学専攻博士課程前期課程修了(生活科学修士)。2003年3月大阪市立大学大学院生活科学研究科人間福祉学専攻博士課程後期課程満期退学。2017年9月立命館大学大学院生端総合学術研究科先端総合学術専攻博士課程(一貫制)修了(学術博士)。田中診療所、医療法人養心会国分病院、財団法人東京精神医学研究所付属東京武蔵野病院において精神科ソーシャルワーカーとして勤務、大谷女子大学文学部幼児教育学科専任講師を経て、2013年4月より桃山学院大学社会学部社会福祉学科教授。主たる研究テーマは、ソーシャルワーク・当事者の病いの経験も含めた社会資源の開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)