• 本

詩に映るゲーテの生涯

改訂増補版

出版社名 鳥影社
出版年月 2019年2月
ISBNコード 978-4-86265-726-8
4-86265-726-5
税込価格 1,650円
頁数・縦 299P 19cm
シリーズ名 詩に映るゲーテの生涯

商品内容

要旨

華やぐ宮廷、突如、町を走り抜ける貧民の群れ。砲兵士官ナポレオンの権力把握、炎上する皇帝の都モスクワ。そのすべてを凝視する小国家ヴァイマルの宰相、詩人ゲーテ。小説を書きつつ、半世紀を越えてゲーテを読みつづけてきた著者が描く、彼の詩の魅惑と謎。その生涯の豊かさ。

目次

“必然”と“希望”―「始源の言葉。オルフェウスの秘詞」
近世都市の特権的少年―「一千七百五十七年の喜ばしき年明けに」
帝国都市から小パリへ―「フリデリーケ・エーザーさま御許に」
青年の至福、そして暗い影―「五月の祭り」
華やかなる文壇登場と絶対的喪失の感覚―「トゥーレの王」
ヴァイマル宮廷での実務と詩―「ハンス・ザックスの詩的使命」
愛の乾溜 シュタイン夫人―「何故そなたは運命よ」
自然存在の悦楽と悲しみ―『ローマ悲歌』
盗み取られた生の安逸―『ヴェネチア短唱』
フランス革命と内的危機―「コフタの歌」「芸術家の権能」命綱としての社会的正義―『クセーニエン(風刺短詩)』
自然への復帰―「献げる言葉」
エルポーレの囁き―「空なり!空の空なり!」『パンドーラ』
夢想と秩序―「別離(『ソネット』のVII)」「皇妃の到来」
甦った平和のなかで―『西東詩集』
一瞬の永遠―「ズライカの書」
明快な、あまりに明快な!―「一にして全」ほか思想詩若干
死の囁きと生命の震え―「マリーエンバートの悲歌」
詩の癒す力―『情熱の三部作』
二つの別れ―「シナ・ドイツ四季日暦」「ドルンブルクの詩」
仕合わせの最後の目盛り―「すべての山々の頂きに」「亡霊たちの歌」

著者紹介

柴田 翔 (シバタ ショウ)  
作家、ドイツ文学研究者。1935(昭和10)年1月東京生まれ。武蔵高校から東京大学へ進学、工学部から転じて独文科卒。1960(昭和35)年東京大学大学院独文科修士修了、同大文学部助手。1961(昭和36)年「親和力研究」で日本ゲーテ協会ゲーテ賞。翌年より2年間、西ドイツ・フランクフルト大より奨学金を得て、留学。1964(昭和39)年『されどわれらが日々―』で第51回芥川賞。東大助手を辞し、西ベルリンなどに滞在。帰国後、都立大講師、助教授を経て1969(昭和44)年4月東京大学文学部助教授、のち教授。文学部長を務める。1994(平成6)年3月定年退官、名誉教授。4月、共立女子大学文芸学部教授。2004(平成16)年3月同上定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)