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ドイツ・パワーの逆説 〈地経学〉時代の欧州統合

出版社名 一藝社
出版年月 2019年11月
ISBNコード 978-4-86359-196-7
4-86359-196-9
税込価格 2,970円
頁数・縦 233P 21cm

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要旨

2010年のユーロ危機以降、経済力を背景に欧州で多大な影響力を持つに至った大国・ドイツ。英国のEU離脱が実現すれば、ますます政治的・経済的なパワーを不動のものにすると予想される。だが、本当にドイツは欧州の覇権国家として君臨できるのか。また、世界の中でどんな役割を果たすのだろうか。本書では、1871年のドイツ統一とドイツ帝国建国以来、ドイツが欧州で果たしてきた役割を、歴史を辿りつつ検証。それを踏まえ、ギリシャの破綻に端を発するユーロ危機以降のドイツが「地経学」的な大国に変貌したと論じる。地経学とは、主に軍事的手段で獲得する「地政学」的な利益を、経済的手段で実現しようとする考え方だ。さらに本書では、ドイツを「覇権国家」と呼ぶには、経済的に“小さすぎる”と指摘し、地経学的な「準覇権国家」と定義。それに反発する周辺国の包囲網により欧州が再び不安定化するリスクを警戒している。著者は、2018年から英国王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)で、ドイツや欧州、米欧関係を専門とする気鋭の研究者。本書は欧米で広く反響を呼び、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、韓国語版が、次々と出版された。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2019年12月18日]

商品内容

要旨

経済力を武器に政治目標を実現する!統一から30年、ヨーロッパ随一の“地経学”大国になったドイツはどこへ向かうのか―。

目次

序論 歴史の回帰か
第1章 ドイツ問題
第2章 理想主義と現実主義
第3章 継続と変化
第4章 侵略者と犠牲者
第5章 経済と政治
第6章 欧州と世界
結論 地経学的な準覇権国家
補遺 欧州と難民
日本語版への補遺 「平和国家」と「フリーライド」

著者紹介

クンドナニ,ハンス (クンドナニ,ハンス)   Kundnani,Hans
英王立国際問題研究所(チャタムハウス)上級研究員。英バーミンガム大学アソーシエイト・フェロー。欧州外交評議会(ECFR)研究部長、ドイツ・マーシャル財団(ワシントン)上級研究員などを歴任し、2018年から現職。ドイツやヨーロッパの政治・外交問題を専門とし、有力学術誌『フォーリン・アフェアーズ』などに寄稿している。1972年生まれ。英国出身
中村 登志哉 (ナカムラ トシヤ)  
名古屋大学教授。専門は国際関係論、特にドイツ・欧州と日本の外交・安全保障政策。メルボルン大学(オーストラリア)政治学研究科博士課程修了、Ph.D.(政治学)取得。1960年、愛知県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)