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なぜ田んぼには多様な生き物がすむのか

出版社名 京都大学学術出版会
出版年月 2020年10月
ISBNコード 978-4-8140-0285-6
4-8140-0285-8
税込価格 3,960円
頁数・縦 328P 21cm

商品内容

要旨

イネ一色の世界?とんでもない!実は6000種以上が生きる人がつくった豊かな環境。生き物たちはその生活史の中で田んぼをどのように利用しているのか、稲作がはじまる以前には、どこでどうやって生活してきたのか?田んぼというたぶんに人工的な環境にさまざまな生き物が暮らしているのはなぜだろう?カエルや魚類、昆虫のような目につく動物はもちろんのこと、イタチムシなどあまり知られていない動物やイネ以外の植物、藻類にも焦点を当て、多様な水田生物群集の諸相と複雑な生物間相互作用を解き明かす。そして、生物多様性保全と有害生物管理の両立を図る総合的生物多様性管理を、少しずつ明らかにされてきた水田生態系の構造と機能に基づいて考えていく。

目次

第1部 見過ごされてきたミクロの多様性(田んぼの小さな生物の見えざる多様性
種類も生きざまも多様な水田の藻類
田んぼのイタチムシの多様性
水田に生息する微小水生動物群集の多様性)
第2部 水田と他の生息場所のネットワーク(水田とため池・水路を利用する昆虫たち
魚たちの様々な水田利用法
水田地帯の時空間パターンが生み出すカエル群集の多様性)
第3部 多様性に影響を及ぼす諸要因(水田生物多様性の成り立ちとその複雑性―環境と生物群集の時・空間的な因果を読み解きながら
農法の違いは水生動物群集に影響を及ぼすか
かつての水田雑草は、なぜ絶滅危惧種になったのか)
第4部 水田に依存する生物の謎(田んぼに見られる植物はどこからやってきたのか
田んぼにしかいない生物は、田んぼができる前にはどこにいたのか)

著者紹介

大塚 泰介 (オオツカ タイスケ)  
滋賀県立琵琶湖博物館・総括学芸員。専門分野は水産微生物学、陸水生態学
嶺田 拓也 (ミネタ タクヤ)  
農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門上級研究員。専門分野は農生態学、雑草学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)