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万物は流転する 新装版

出版社名 みすず書房
出版年月 2022年6月
ISBNコード 978-4-622-09536-1
4-622-09536-X
税込価格 4,400円
頁数・縦 296P 20cm
シリーズ名 万物は流転する

商品内容

要旨

1953年、スターリンが死んだ、神のような指導者の突然の死が、国土を震撼させる。ラーゲリ(強制労働収容所)からは何百万もの人びとがぞくぞく出所してきた。主人公イワン・グリゴーリエヴィチは自由を擁護する発言を密告され、29年間、囚人であった。かつて家族の希望の星だった青年は、老人となって社会に戻った。地方都市でささやかな職を得たイワンは、白髪が目立つが美しい女性アンナと愛しあうようになる。彼女には、ウクライナで農民から穀物を収奪し飢饉に追い込んだ30年代の党の政策に、活動家として従事した過去があった。生涯で一番大事なことを語りあうふたり。しかし…。帝政ロシアと農奴制に抗した多様な結社からレーニンの十月革命へ、スターリン体制へと至った激動のロシア革命史が想起される。物語とドキュメンタリー風回想と哲学的洞察が小説を織りなす。作家グロスマンが死の床でも手離さなかった渾身の遺作。

著者紹介

グロスマン,ワシーリー (グロスマン,ワシーリー)   Гроссман,Василий
1905‐1964。ウクライナ・ベルディーチェフのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻。炭鉱で化学技師として働いたのち、小説を発表。独ソ戦中は従軍記者として前線から兵士に肉薄した記事を書いて全土に名を馳せる
齋藤 紘一 (サイトウ コウイチ)  
1943年群馬県生まれ。東京大学理学部化学科卒。在学中に米川哲夫氏にロシア語を学ぶ。通産省入省後、課長・審議官を務める。93年退官後、ISO(国際標準化機構)日本代表委員、独立行政法人理事長をへて現在、翻訳家。99年、通訳案内業免許(ロシア語)取得。『人生と運命』(全三巻、みすず書房)の翻訳で日本翻訳文化賞(2012年度)を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)