世界インフレの謎
講談社現代新書 2679
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2022年10月 |
ISBNコード |
978-4-06-529438-3
(4-06-529438-X) |
税込価格 | 990円 |
頁数・縦 | 269P 18cm |
書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍 要旨 2022年現在、先進国を中心に世界中で空前の物価高が起きている。2020年初頭からのパンデミックで各国の景気が後退し、むしろデフレが懸念されたはずだ。だが実際にはモノの供給不足から物価が上昇。そして、平時に戻りつつある局面なのに、さらに急上昇し、かつてない水準までインフレが進行中だ。本書では、元日本銀行員で物価理論のトップランナーが、異例の「世界インフレ」の原因・メカニズムに迫っている。タイミングが重なったことから、今回の世界的物価高の原因を、ロシアによるウクライナ侵攻に求める見解がよくみられる。しかし、著者ら専門家は、それに懐疑的だ。著者がさまざまなデータを駆使した分析によれば、インフレの主因は、その前の新型コロナウイルス感染症対策としての、人々の「行動変容」にあるという。著者は日本銀行勤務、一橋大学経済研究所教授等を経て、現在、東京大学大学院経済学研究科教授。専攻はマクロ経済学、国際金融、企業金融。株式会社ナウキャスト創業者・技術顧問。『物価とは何か』(講談社選書メチエ)、『入門オルタナティブデータ 経済の今を読み解く』(共編著、日本評論社)など著書多数。 |
商品内容
要旨 |
経済学者が「本当の問題」に向き合う。なぜ急にインフレが始まったのか?誰も予想できなかったのか?―経済学者も中央銀行も読み間違えた!ウクライナ戦争は原因ではない?―データが語る「意外な事実」。米欧のインフレ対策は成功する?―物価制御「伝家の宝刀」が無効になった!円安・デフレの日本はどうなる?―「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要。物価理論の第一人者が世界インフレという難問に格闘しながら真摯に、明快に答える! |
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目次 |
第1章 なぜ世界はインフレになったのか―大きな誤解と2つの謎(世界インフレの逆襲 |
出版社・メーカーコメント
なぜ世界は突如として物価高の波に飲み込まれたのか? ウクライナの戦争はその原因ではないことは、データがはっきりと示している。では”真犯人”は……?元日銀マンの物価理論トップランナー、異例のヒット『物価とは何か』の著者が、問題の核心を徹底考察する緊急出版! なぜ急にインフレがはじまったのか?だれも予想できなかったのか?――経済学者も中央銀行も読み間違えた! ウクライナ戦争は原因ではない?――データが語る「意外な事実」 米欧のインフレ対策は成功する?――物価制御「伝家の宝刀」が無効になった! 慢性デフレの日本はどうなる?――「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要だ! 本書の「謎解き」は、世界経済が大きく動くダイナミズムを描くのみならず、日本がきわめて重大な岐路に立たされていることをも明らかにし、私たちに大きな問いかけを突きつける――前著よりさらにわかりやすくなった、第一人者による待望の最新論考! 【本書の内容】第1章 なぜ世界はインフレになったのか――大きな誤解と2つの謎世界インフレの逆襲/インフレの原因は戦争ではない/真犯人はパンデミック?/より大きな、深刻な謎/変化しつつある経済のメカニズム第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか人災と天災/何が経済被害を生み出すのか――経済学者が読み違えたもの/情報と恐怖――世界に伝播したもの/そしてインフレがやってきた第3章 「後遺症」としての世界インフレ世界は変わりつつある/中央銀行はいかにしてインフレを制御できるようになったか/見落とされていたファクター/「サービス経済化」トレンドの反転――消費者の行動変容/もう職場へは戻らない――労働者の行動変容/脱グローバル化――企業の行動変容/「3つの後遺症」がもたらす「新たな価格体系」への移行第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」――デフレという慢性病と急性インフレ取り残された日本/デフレという「慢性病」/なぜデフレは日本に根づいてしまったのか/変化の兆しと2つのシナリオ/コラム:「安いニッポン」現象第5章 世界はインフレとどう闘うのか米欧の中央銀行が直面する矛盾と限界/賃金・物価スパイラルへの懸念と「賃金凍結」/日本版賃金・物価スパイラル参考文献図表出典一覧