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文化冷戦と知の展開 アメリカの戦略・東アジアの論理

出版社名 京都大学学術出版会
出版年月 2022年11月
ISBNコード 978-4-8140-0437-9
4-8140-0437-0
税込価格 5,060円
頁数・縦 462P 22cm

商品内容

要旨

冷戦下、アメリカの文化外交戦略は、アカデミアで生産される純粋科学や工学などの体系的学知、そしてジャーナリズム専門職に必要な知にも及んだ。その結果形成された「学知」「専門知」は冷戦後も長く東アジアで支配的位置を占め、今日に至る。知のヘゲモニーをめぐる現場は国際政治と無縁ではなく、特に「熱戦」下の分裂状態にある東アジアでは多様な主体が複雑な道を辿った。そこには知の供給者/受容者という二項による見立てや、ナショナルな枠組みでは捉えられない、ダイナミックな実態があった。日・米・中・韓・台湾の研究者があぶり出す、新しい冷戦史。

目次

第1部 地域研究(冷戦下台湾の中国研究とアメリカ―フォード財団による中央研究院近代史研究所支援
冷戦中の協働―1945〜1960年のアメリカにおける日本学
1960年代の日米間における「近代化」論争―箱根会議における価値体系と歴史認識をめぐる断層 ほか)
第2部 科学技術(中国の原子力研究の萌芽―内戦と冷戦の間で
ミシガン記念フェニックス・プロジェクトと台湾―アメリカの公立大学による対外原子力技術援助
黄昏の帝国の科学知―脱植民地化時代の英国の原子力外交 ほか)
第3部 ジャーナリズム(米援、台湾のジャーナリズム教育、そして中国系ジャーナリストのトランスナショナル・ネットワーク
冷戦期香港のジャーナリズム・コミュニケーション教育の形成とアメリカ
冷戦期米国の教育交流プログラムと韓国ジャーナリズムのアメリカ化 ほか)

出版社・メーカーコメント

冷戦下、アメリカの文化外交戦略は、アカデミアで生産される純粋科学や工学などの体系的学知、そしてジャーナリズム専門職に必要な知に及んだ。その結果形成された「学知」「専門知」は冷戦後も長く東アジアで支配的位置を占め、今日に至る。知のヘゲモニーをめぐる現場は国際政治と無縁ではなく、特に「熱戦」下の分裂状態にある東アジアでは多様な主体が複雑な道を辿った。そこには知の供給者/受容者という二項の見立てや、ナショナルな枠組みでは捉えられない、ダイナミックな実態があった。日・米・中・韓・台湾の研究者があぶり出す新しい冷戦史。

著者紹介

森口(土屋) 由香 (モリグチツチヤ ユカ)  
京都大学大学院人間・環境学研究科教授。博士(アメリカ研究)。専門はアメリカ研究、冷戦史、日米関係史
川島 真 (カワシマ シン)  
東京大学大学院総合文化研究科教授。博士(文学)。専門は東アジア政治外交史、中国近現代史、国際政治史
小林 聡明 (コバヤシ ソウメイ)  
日本大学法学部准教授。博士(社会学)。専門は東アジア国際政治史・メディア史、朝鮮半島地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)