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非部落民の部落問題

出版社名 解放出版社
出版年月 2022年11月
ISBNコード 978-4-7592-1037-8
4-7592-1037-7
税込価格 2,750円
頁数・縦 273P 19cm

商品内容

目次

非部落民が部落問題と向き合う
中江兆民―自由・平等思想の深化
堺利彦―社会主義運動から部落問題をとらえる
喜田貞吉―多民族国家認識と部落問題
布施辰治―水平運動の支援に奔走した弁護士
有馬頼寧―華族の立場から隣人愛を説いた融和運動家
藤原権太郎―全国水平社九州連合会の活動家
植木徹之助(徹誠)―人間みな平等の信念を貫く
岡崎精郎―人道主義者の部落問題観
磯村英一―部落問題と向き合い続けた同和行政の指導者
朝野温知(李壽龍)―民族を超えた「人間性の原理」を求めて
竹内好―普遍的人権の希求

出版社・メーカーコメント

部落問題は近現代日本社会における社会問題の重要なひとつであり、その解決は非部落民衆の部落民衆に対する差別的な言動と意識を改めるだけでなく、部落問題を存在せしめている日本社会の変革をも必要とするものである。したがって部落解放という課題は日本社会全体の問題であるだけに、圧倒的少数者である部落民だけの自主的な行動によっては不可能であり、圧倒的多数者の立場にある非部落民が部落問題に向き合うにあたっての理解と努力が重要な鍵を握っていると言えよう。 1890年代からの部落改善運動と1910年代からの融和運動には、多くの非部落民がかかわることになった。そして、1950年代後半から部落解放運動の急激な発展を契機として部落問題に対する社会的関心が高まり、1965年の同和対策審議会答申では部落問題の解決は「国民的課題」とされ、非部落民を主体とする役割は徐々に大きくなっていった。 また、部落民であろうが非部落民であろうが部落問題に向き合っているかぎり、何らかの逡巡や苦悩などが存在している。つまり非部落民アイデンティティも射程に入れることは、部落解放の外延的拡大に関係することに他ならない。この本では、部落問題にかかわった行政・教育・法曹・社会運動関係者、ジャーナリスト、作家など、近代以降に活躍した非部落民の人物と活動を紹介する。

著者紹介

朝治 武 (アサジ タケシ)  
1955年生まれ。大阪人権博物館館長
黒川 みどり (クロカワ ミドリ)  
静岡大学教授。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業、博士(文学)。日本近現代史、おもに思想史・部落史
内田 龍史 (ウチダ リュウシ)  
1976年生まれ。大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了、博士(文学)。尚絅学院大学講師・准教授・教授を経て、関西大学社会学部教授。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)