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なぜ理系に女性が少ないのか

幻冬舎新書 よ−10−1

出版社名 幻冬舎
出版年月 2022年11月
ISBNコード 978-4-344-98676-3
4-344-98676-8
税込価格 1,034円
頁数・縦 234P 18cm

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要旨

IT社会の進展、AI等の科学技術の進歩に伴い、STEM(科学・技術・工学・数学)教育の重要性が各国で叫ばれるようになってきた。日本では「理系」と総称されるSTEMだが、大学などで学ぶ学生数には男女差があり、女性が著しく少ない。この現象は、人材の多様性確保、機会の不平等などの点で望ましくないだろう。本書では、自らが「理系女性」である研究者が、高等教育機関の理系学生の女性割合がOECD諸国の中でも最低である日本の現状を踏まえ、自らの調査や先行研究のデータを分析し、その理由を探っている。理系学生割合の男女差は、学力差というよりも、就職の男性イメージや、女性は数学が苦手という根拠のない「数学ステレオタイプ」の影響が大きく、加えて「優秀さは男性のものであり女性には不要である」といった伝統的な「社会風土」にも原因があることをデータを用いて実証し、論を展開している。男女格差を解消するには、ロールモデルとなる女性研究者を可視化するなどの対策が考えられるという。著者は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構副機構長・教授。東京大学学際情報学府文化・人間情報学コース大学院兼担。東京理科大学理工学研究科物理学専攻・連携大学院高エネルギー加速器研究機構で博士号を取得後、専門を物理学から科学技術社会論に変更した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年1月17日]

商品内容

要旨

大学・大学院など高等教育機関における理系分野の女性学生の割合は、OECD諸国で日本が最下位。女子生徒の理科・数学の成績は世界でもトップクラスなのに、なぜ理系を選択しないのか。そこには本人の意思以外の、何かほかの要因が働いているのではないか―緻密なデータ分析から明らかになったのは、「男女平等意識」の低さや「女性は知的でないほうがいい」という社会風土が「見えない壁」となって、女性の理系選択を阻んでいるという現実だった。日本の男女格差の一側面を浮き彫りにして一石を投じる、注目の研究報告。

目次

序章 「理系女性問題」とは何か
第1章 理系女性の割合はOECD内で最下位
第2章 「数学・物理学に求められる能力」のイメージとは
第3章 男女差は生まれながらか環境要因か
第4章 学問分野にはジェンダーイメージがあった
第5章 学問分野から連想されるキーワード
第6章 中学生で物理が嫌いになる?
第7章 ジェンダー平等意識と理系進学の関係
第8章 親のバイアスはどう影響するか
第9章 数学・物理学の男性イメージはどう作られる?
第10章 壁を取り払ってくれるのはどんな情報?
終章 残された謎と課題

出版社・メーカーコメント

大学・大学院など高等教育機関における理系分野の女性学生の割合は、OECD諸国で日本が最下位。女子生徒の理科・数学の成績は世界でもトップクラスなのに、なぜ理系を選択しないのか。そこには本人の意志以外の、何かほかの要因が働いているのではないか――緻密なデータ分析から明らかになったのは、「男女平等意識」の低さや「女性は知的でないほうがいい」という社会風土が「見えない壁」となって、女性の理系選択を阻んでいるという現実だった。日本の男女格差の一側面を浮彫りにして一石を投じる、注目の研究報告。

著者紹介

横山 広美 (ヨコヤマ ヒロミ)  
1975年東京都生まれ。東京理科大学理工学研究科物理学専攻・連携大学院高エネルギー加速器研究機構・博士(理学)。博士号取得後、専門を物理学から科学技術社会論に変更。現在は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構副機構長・教授。東京大学学際情報学府文化・人間情報学コース大学院兼担。科学ジャーナリスト賞(2007)、科学技術社会論学会柿内賢信記念賞奨励賞(2015)、東京理科大学物理学園賞(2022)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)