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アフリカから農を問い直す 自然社会の農学を求めて

出版社名 京都大学学術出版会
出版年月 2023年2月
ISBNコード 978-4-8140-0463-8
4-8140-0463-X
税込価格 4,950円
頁数・縦 466P 22cm

商品内容

要旨

私たちが暮らす現代産業社会の源流は、古代の食料生産革命から生まれた「アグラリアン社会」(農業社会)にある。すなわち高い農業生産性を誇るが、その生産法は大量の水と肥料を必要とし、しかも環境変動に対して極めて脆弱な単作(モノカルチャー)が卓越する。この「アグラリアン社会」に由来するシステムと思考が、豊かな森林を破壊し地球規模の環境危機を引き起こしている。ではどうすればよいのか。食料生産革命を経験しない「自然社会」として多様で豊かな農と食を育んできたアフリカに学ぶことで、精神のモノカルチャーと化した現代社会の行き詰まりを解決する術を探る。

目次

第1部 アフリカ農業から何を学ぶか(序論:アグラリアン・バイアスを超えて
アフリカ農業の環境史観―遊動する農業とその起源
アフリカ農業・農村開発の失敗学)
第2部 アフリカ農業・農村の特性把握(流動性と開放性―コンゴ盆地熱帯雨林の移動性とエキステンシブネス
生業の複合性と多様性―熱帯アフリカの多生業
農法や作物の非画一性―農耕の多様性がもたらすサブシステンスの安定
分与の経済と食の安定―生きる場におけるなりわいとしての農
富の蓄積と再生産―東アフリカ農牧社会における財と家族)
第3部 近代農学とアフリカの農(イデオロギーとしての近代農学の形成
国家農学と小農の対応)
第4部 自然社会の農学(農業イノベーションのアフリカ的特質
自然社会の農学へ向けて
アフリカから農を問い直す)

著者紹介

杉村 和彦 (スギムラ カズヒコ)  
福井県立大学学術教養センター・教授。京都大学大学院農学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(農学)
鶴田 格 (ツルタ タダス)  
近畿大学農学部・教授。京都大学大学院農学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(農学)
末原 達郎 (スエハラ タツロウ)  
京都大学・名誉教授、龍谷大学・名誉教授。京都大学大学院農学研究科博士後期課程単位取得退学、農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)