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アジア遊学 287

書物の時代の宗教 日本近世における神と仏の変遷

  • 岸本覚/編 曽根原理/編 横田冬彦/〔ほか執筆〕
出版社名 勉誠社
出版年月 2023年9月
ISBNコード 978-4-585-32533-8
4-585-32533-6
税込価格 3,080円
頁数・縦 263P 21cm
シリーズ名 アジア遊学

商品内容

要旨

日本近世の宗教文化は、出版文化の発達により大きな転換を迎える。中世までの写本の時代と異なり、木版・整版による出版が商業的に発達し、明治以降の洋式活字出版の時代とも異なる、一つの時代が形成されたのである。そのような流れの中で、仏神のイメージや宗教環境はどのように変化したのか。民間のカミ、為政者たちが崇める仏神、そして東照宮を頂点とする国家の宗教体系は、近世社会・国家とどのような関わりを持ったのか。社会情勢や文化現象の中で揺れ動く、宗教と書物の関係を読み解く。

目次

1 近世の書物と宗教文化(近世人の死と葬礼についての覚書
森尚謙者『護法資治論』について
六如慈周と近世天台宗教団)
2 『大成経』と秘伝の世界(禅僧たちの『大成経』受容
『大成経』の潅伝書・秘伝書の構造とその背景―潮音道海から、依田貞鎮(〓無為)・平繁仲を経て、東嶺円慈への潅伝伝受の過程に
増穂残口と『先代旧事本紀大成経』)
3 カミとホトケの系譜(東照大権現の性格―「久能山東照宮御奇瑞覚書」を事例として
修正会の乱声と鬼走り―大和と伊賀のダダをめぐって
人を神に祀る神社の起源―香椎宮を中心として)
4 近世社会と宗教儀礼(「宗門檀那請合之掟」の流布と併載記事
因伯神職による神葬祭“諸国類例書”の作成と江戸調査
孝明天皇の「祈り」と尊王攘夷思想)