• 本

レーニンの墓 ソ連帝国最期の日々 下

現代史アーカイヴス

出版社名 白水社
出版年月 2024年4月
ISBNコード 978-4-560-09295-8
4-560-09295-8
税込価格 3,960円
頁数・縦 391,32P 図版14P 19cm
シリーズ名 レーニンの墓

商品内容

要旨

1991年12月にソ連が崩壊して、すでに30年。本書は、当時の政権中枢や反対制派の人物多数にインタビューや取材を重ね、彼らの内面に「スターリニズム」がいかに深く根ざしていたかを探り、ソ連崩壊に至るまでの過程を追いかけた、記念碑的な作品だ。変革期には様々な「人間ドラマ」を見ることができる。物理学者サハロフに代表されるように、体制批判に向かう英雄的な人びと、時流に迎合し、反ユダヤ主義に走る数学者シャファレビッチのような人びと、現状に疑問を抱きつつも、体制にとどまり、前へ進めないゴルバチョフのような人びと…。本書のタイトルは、レーニンをレーニン廟に祭り上げるのではなく、レーニンを完全に葬り去り、批判の俎上に載せられるかどうかを意味し、それがロシアの真の再生の鍵を握ることを表わす。したがって、ゴルバチョフやその周辺の人びとは、やがて時代の潮流にのみこまれ、歴史に追い越されていくことになる。本書の優れている点は、全体主義国家の制度とイデオロギーの破綻を、広く深く観察していることだ。取材の射程は、サハリン島やシベリアの炭鉱の地下から、カフカス、中央アジアの集団農場、都市部の言論・文化界、共産党中央にまで及んでいる。そして、ソ連を支配していた共産党の独裁体制、党と国家の構成体が自壊していく軌跡を、臨場感たっぷりに描くことに成功している。

目次

第3部 革命の日々(「明日は戦に」
失われた幻想
十月革命 ほか)
第4部 「一度目は悲劇として、二度目は茶番として」
第5部 裁かれる旧体制

出版社・メーカーコメント

1991年にソ連が崩壊して20年、ゴルバチョフら当時の政治指導者、反体制派の人物多数に取材を重ね、帝国落日に至るまでの知られざる真実に迫った、傑作ノンフィクション!

著者紹介

レムニック,デイヴィッド (レムニック,デイヴィッド)   Remnick,David
1958年生まれ。米プリンストン大学卒業後、1982年にワシントン・ポスト紙へ。運動記者を経て、1988年から4年間、同紙モスクワ特派員を務める。1992年にニューヨーカー誌の記者に転じ、同誌編集長などを歴任。『レーニンの墓―ソ連帝国最期の日々』(白水社)でピュリツァー賞を受賞したほか、『モハメド・アリ―その闘いのすべて』(阪急コミュニケーションズ)がタイム誌the top of nonfiction bookに選ばれるなど、現代アメリカを代表するノンフィクション作家として君臨している
三浦 元博 (ミウラ モトヒロ)  
1950年、滋賀県生まれ。東京外国語大学卒。共同通信社、大妻女子大学社会情報学部教授を経て、大妻女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)