ビルマ・ハイウェイ 中国とインドをつなぐ十字路
現代史アーカイヴス
出版社名 | 白水社 |
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出版年月 | 2024年10月 |
ISBNコード |
978-4-560-09137-1
(4-560-09137-4) |
税込価格 | 4,290円 |
頁数・縦 | 370,17P 19cm |
商品内容
要旨 |
ビルマの独裁者タンシュエが政治の表舞台から引き下がり、2011年、部下として忠勤に励んできたテインセイン大将が大統領に就任した。その後、ビルマ政府は環境問題を理由に中国が進めた大型ダムの建設を中止し、軍政最大の政敵であったアウンサンスーチーの15年に及ぶ自宅軟禁を解くなど、一時的にせよ民主化への動きを加速させた。これら一連の流れをビルマの“中国離れ”と“欧米接近”の動きととらえる向きもあったが、本書は軍事独裁から民主主義へといった直線的な議論ではなく、国境を接する東西の大国、中国とインドとの関係を中心にビルマ史を概観し、同国を取り巻く国際情勢を冷静に分析する。また著者は、ビルマ北部の“辺境”といわれる少数民族居住地域に足を延ばし、国境に近い地域が事実上中国に吸収されたような状態になっていて、ビルマの中心部よりもずっと開発が進んでいる現状を詳しく描く。紀行の要素と情勢分析がほどよく散りばめられているのが本書の特徴だ。ビルマを「アジアの勝手口」と見立てて中国とインドとの関係を概観し、この地域の歴史の大きな流れをとらえるだけでなく、二つの大国に挟まれた小国ビルマの将来像をも浮かび上がらせる。第26回アジア・太平洋賞“特別賞”受賞。 |
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目次 |
第1部 裏口から入るアジア(夢みるイラワディ |
出版社・メーカーコメント
中国とインドという大国に挟まれた地域一帯の歴史的経緯を踏まえ、アジアの小国ビルマの地政学的意味を問い直す意欲作。