• 本

きみの血を

ハヤカワ文庫 NV 1027

出版社名 早川書房
出版年月 2003年1月
ISBNコード 978-4-15-041027-8
4-15-041027-5
税込価格 660円
頁数・縦 239P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 異常と正常の境で

    過激な事件は何も起きない。ただ淡々と、一人の男の半生が描かれていく。多少トリッキーな構成ではあるが、それも大騒ぎするほどのことでもない。なのに読み終えると、何かが少しだけズレてしまったような酷い違和感に襲われる。どこまでが異常で、どこまでが正常だったのか、あやふやになってくる。そういった意味で、自分の心に自信が持てない人にはオススメできない。モダンホラーの傑作。静かに怖い。

    (2005年1月15日)

商品内容

要旨

ある米軍駐屯地で、精神科医でもある少佐が一通の手紙の差出人である兵士を訊問した。文面があまりに異常だと思われたからだ。兵士のジョージは、少佐から手紙の内容を問いただされると態度を急変させ、コップを握り潰して彼に飛びかかろうとした。ところが、傷ついた自分の手から流れる血を見るや、いきなりそれを吸いはじめたのだ。ジョージの異常な行動を生んだ秘密とは?幻想的SFで知られる巨匠の幻の傑作登場。

著者紹介

スタージョン,シオドア (スタージョン,シオドア)   Sturgeon,Theodore
1918年ニューヨーク生まれ。ハイスクール卒業後、ペンシルヴェニア州立の海洋学校に入り船員生活を送るかたわら小説を書きはじめる。1940年〜50年代にかけてSF誌に発表した作品で人気を得はじめ、『人間以上』(1953)で国際幻想文学賞を受賞し、人気作家としての地位を不動のものにした。他の代表作としては『夢みる宝石』(1950)がある。1985年没
山本 光伸 (ヤマモト ミツノブ)  
1941年生、国際基督教大学歴史学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)