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自然に倣う広葉樹の森づくり よみがえる山里

出版社名 築地書館
出版年月 2025年8月
ISBNコード 978-4-8067-1689-1
4-8067-1689-8
税込価格 2,640円
頁数・縦 301P 19cm

商品内容

要旨

今、日本中の広葉樹林は再び太くなり、伐りはじめられている。しかし、我々は本当の森の姿を知らない。本来の日本の広葉樹林は、さまざまな樹種が混ざり合う多種共存の森だ。時に針葉樹とも混ざり合う巨木の森だったのである。広葉樹の森づくりでは全層間伐と天然更新で地域固有の多様性をもつ巨木林をめざす。樹木の寿命に合わせ、数百年にわたり利用しながら、年々大径化していく木々は、幾世代にもわたり山里の人びとの暮らしを支えていくだろう。森の恵みをていねいに引き出しながら、森と山里を真の意味で豊かにする森づくりと林業のあり方を提案する。

目次

森とどんな関係を築いていこうとするのか
1部 巨木の森―地球を救う(原始の森の巨木たち―記録と記憶から
今に残る老齢林―学術調査から
巨木の森は地球を甦らせる―炭素貯蓄と吸収による気候変動の抑制)
2部 多種共存の森―どのように創られ、どんな恩恵を与えてくれるのか(菌類が創る森の姿―木々の空間分布と種多様性
樹種の優占度を決めるもの―菌根タイプ・種子重・最大直径
種多様性の恵―地球で永く生きていくために)
3部 自然に倣う林業―多種共存の巨木林を目指しながら木材を生産する(全層間伐―良質な大径材生産を可能にする
群状間伐―大径化と種多様性を同時に目指す
水辺林は伐らない、植えない)
4部 森との約束―共に生きていく(木材の価値を決めるもの―森の恵みの大きさ
多様性そのものが優れたデザイン
クマとの共生への長い道のり―棲み分けるための根本的方策)

著者紹介

清和 研二 (セイワ ケンジ)  
1954年山形県櫛引村(現・鶴岡市)生まれ。北海道大学農学部卒業。北海道林業試験場研究員、東北大学大学院農学研究科教授を経て、名誉教授。落葉広葉樹の開花から種子散布・発芽、実生成長の仕組みなどの繁殖生態を研究。その後、森林の多種共存メカニズムの解明に取り組む。近年は、種多様性回復が生態系サービスを著しく向上させることを観察中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)