書店レビュー
総合おすすめ度:
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人間は業の深い生きもの☆
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おすすめ度
- 高井文研堂イズミ店 (岡山県真庭市)
最近、悪いニュースばかり飛び込んでくる。人間とは何て業の深い生きものだろうと痛感させられる。そんな時、この「トガリ」を見つけた。少し前の作品だが、なかなかどうして素晴らしい出来である。と言うのも、まずストーリーが素晴らしい。人間は心の闇を抱え、フとした拍子に悪に手を染めてしまうとの前提で、その罪を大悪人である16歳の少年が地獄より現世に舞い戻り裁いていくというシナリオ。私たちは「隣りの人よりも多く」とか「隣りの国よりももっと」とか、欲深く生きていることにきづいていない。そんな自分を発見してしまうマンガでもある。まだ出版社にも在庫があるようだし、是非今の内に読んでみられたらどうか。
(2007年9月23日)
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おすすめ度
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出版社・メーカーコメント
昔、犯したのは罪。居たのは地獄。今、求めるのは自由。狩るのは咎(トガ)。与えられたのは“トガリ”のみ。男の名は統兵衛。悪、そのものだ…!!▼第1話/セイギノミカタ▼第2話/アリガトウ…?▼第3話/ツミハドコダ! ▼第4話/コレデイイノカ▼第5話/トガリノチカラ▼第6話/スベテヲニクメ●主な登場人物/統兵衛(江戸時代、16歳にして千人以上の人間を斬り、地獄に堕ちて300年になるという極悪人。妖刀「咎狩(とがり)」を手に、条件付きで現世へ送られてきた)、いつき(女子高生。7歳の時、刑事だった父が犯人に銃で撃たれ殉職。以来、どんな小さな悪も許すことができない。連続殺人犯に襲われていたところを統兵衛に救われ、以来、彼に親近感を持つ)●あらすじ/現世にいた16年間で数多くの罪を犯し、処刑された極悪人・統兵衛。地獄に堕ちて300年、統兵衛は反省どころか、未だに脱走を企てていた。そんな統兵衛に地獄の女王・エマは「ここから出られる方法がある」という。それは、罪を集めること。現世に数多く存在する罪を、108日間で108つ回収してくれば、統兵衛の罪は消えるというのだ。罪を集めるには、罪が実体化したものである「咎(とが)」を探さなければならない。その咎を破壊し、回収する事ができる唯一の武器「咎狩(とがり)」を与えられた統兵衛は、早速現世へと赴く(第1話)。●本巻の特徴/悪を食らう妖刀「咎狩」を手に現世へやってきた統兵衛は、次々と悪人を見つけ、その咎を破壊していく。これまで咎狩を受け取り現世へやってきた罪人たちは、逆にこの妖刀に呑み込まれ絶命していくのが常だった。だが統兵衛は強靱な意志の強さと悪の力をもって、108つの罪を集めることをやり遂げようとする。なんとか地獄を出ていこうとする統兵衛の戦いが始まった。●その他の登場人物/エマ(地獄の女王)、オセ(地獄で罪人へ罰を与える執行人。犬に姿を変え、現世での統兵衛の行動を監視する)、沢崎(中央署に所属するキレ者の刑事)