書店レビュー
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- 北国書林 アルプラザ金沢店 (石川県金沢市)
雪の日に拾われたから雪之丞と名づけられた主人公のお話です。養子という引け目からいつも自分の気持ちを作り笑顔で隠し、周りの空気を読み、一切反抗はしませんでした。そんな雪之丞も大人になり、縁談の話がやってきます。早く家を出たい雪之丞と、青森のりんご農家の嫁として跡取りが欲しい朝日。思惑の一致した二人はスピード結婚。全く知らない土地での生活だけれども、朝日の明るい性格のおかげで、家族として、りんご農家の跡取りとして平和で幸せな日常が続くと思っていました。あの禁断のりんごを食べるまでは・・・・風邪を引いた朝日にお土産で持って帰ってきたのは、村から古くから言い伝えのある神様のりんごだったのです。それを食べた者は神様の嫁=生贄を意味します。よそ者の雪之丞はたかが迷信と本気にしなかったのですが、日に日に朝日の身体には異変が。このままでは本当に朝日を奪われると気づいた雪之丞は初めて逆らうのです。神様を相手に。この作品の魅力はストーリー性もさることながら、どこか懐かしさを感じさせる丁寧に描かれた絵です。セリフがなくても、一コマで全てが伝わってきます。これはコミックという垣根を越えて、芸術作品と言っても過
(2013年3月15日)
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出版社・メーカーコメント
親を知らない夫。りんごと育った妻。夫婦は、りんごの村の禁忌を破った。 雪深いりんごの国に婿入りした雪之丞。昭和の激動から離れ、北の家族と静かに巡る四季は親を知らない彼の中になにかを降り積もらせてゆく。それは冬、妻の朝日が寝込んだ日。雪之丞の行動が、りんごの村に衝撃を与えた。 りんごの時間が動き出す、田中相初連載作!