• 本

無名

出版社名 幻冬舎
出版年月 2003年9月
ISBNコード 978-4-344-00385-9
4-344-00385-3
税込価格 1,650円
頁数・縦 254P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 沢木の父への思いが涙をさそう

    無名のまま生きて、無名のまま死んだ父への思いが溢れる作品。半年間の看病生活の中で、父への思いが静かに語られている。最後に父の句集を作ろうと、父の俳句を、拾っていく中で、父の生きかた、思い出が沸いてくる。ひとの生き方、死に方をじっくりと考えさせられる。俳句を拾いながら、知らず知らずのうちに、作者が俳句を作っているところは、思わず泣かされる。父明治生まれ、子戦後生まれの読者なら、自らに思いが重なり、さらに深く重く感じる。

    (2003年11月10日)

商品内容

要旨

一日一合の酒と一冊の本があれば、それが最高の贅沢。そんな父が、夏の終わりに脳の出血により入院した。混濁してゆく意識、肺炎の併発、その後在宅看護に切り替えたのはもう秋も深まる頃だった。秋の静けさの中に消えてゆこうとする父。無数の記憶によって甦らせようとする私。父と過ごした最後の日々…。自らの父の死を正面から見据えた、沢木文学の到達点。

おすすめコメント

父が脳の出血により入院した。ゆっくりと、しかし確実に衰えてゆく父。無名の人の人生が幕を閉じようとしている……。自らの父の死を正面から見据えた書き下ろし長編作品。沢木文学の到達点。

著者紹介

沢木 耕太郎 (サワキ コウタロウ)  
1947年東京生まれ。横浜国立大学卒。独自の手法と文体で数々の作品を生み出し、ノンフィクションの世界を拡げたといわれる。79年に「テロルの決算」で大宅壮一ノンフィクション賞、82年に「一瞬の夏」で新田次郎文学賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)