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邂逅の森

出版社名 文藝春秋
出版年月 2004年1月
ISBNコード 978-4-16-322570-8
4-16-322570-6
税込価格 2,200円
頁数・縦 456P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • クマ肉を食べたことのある人にお勧めします。

    時代は昭和の初期ごろか、東北の山村の貧しい生活を背景にマタギ世界の悲しいけれど、力強い生き方に感動を覚えます。とくにクマ猟の迫力ある表現に、緊張感すら感じました。物語は主人公の半生を中心に進むのですが、時代背景や生活習慣の確かさや、マタギや炭坑夫たちの生き様が物語の厚味を増しています。全体に暗く重い雰囲気の小説になるところを、主人公のすがすがしい男らしさが救っていて、かえって惚れてしまいました。是非クマ肉を食べたことのある人は、感謝して食べるようにこの本を読むことをお勧めします。

    (2004年9月13日)

商品内容

文学賞情報

2004年 第131回 直木賞受賞
2004年 第17回 山本周五郎賞受賞

要旨

「家に帰って、妻の手を握りたい」熊に足を喰われ、朦朧とする意識の中で富治はそのことだけを考えた。奔放に生きてきた富治を巨大熊に向かわせたものは何か。俊英がおくる感動の物語。

おすすめコメント

≪第131回直木賞受賞作品≫大正年間、身分違いの恋から故郷を追われたマタギの青年、松橋富治の波乱の人生を描く。自然に対する畏敬の念あふれる雄大な物語。

著者紹介

熊谷 達也 (クマガイ タツヤ)  
1958年、宮城県仙台市生まれ。東京電機大学理工学部数理学科卒業。中学校教員、保険代理店業を経て、97年「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞して作家デビュー。2000年、凶悪犯罪の陰に見え隠れするニホンオオカミを追った「漂白の牙」で第19回新田次郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)