• 本

犬のしっぽを撫でながら

出版社名 集英社
出版年月 2006年4月
ISBNコード 978-4-08-781341-8
4-08-781341-X
税込価格 1,540円
頁数・縦 221P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  •   2003年の大ヒット作「博士の愛した数式」の前後に発表された小川洋子さんのエッセイを単行本化した一冊である。その中で、「ゼロ」の発見は、「非存在を存在させる」という矛盾を克服した数学上の素晴らしく画期的な発見であると紹介される。そして数学者と小説家は同じ方向を目指しているのではないか、と小川さんは気づく。小説家も「言葉にならないものを言葉にする」仕事だというのである。「世界は驚きと歓びに満ちている・・・」これは「博士の愛した数式」の帯に書かれた一文である。結局、われわれが小説を読んでいて感じるのはまさにこのことであり、この簡単な真実と数学を結びつけた発見は、小川さんの作品群の中でも、飛びぬけた輝きを放っていると思うのである(のり)

    (2007年3月17日)

商品内容

要旨

「博士の愛した数式」を巡る小川洋子の最新エッセイ集。

目次

『博士の愛した数式』を巡って
数学者と美しさについて
数の不思議を小説に
数学者の「正しい間違い」
天才数学者の悲しい恋
一本の線が照らす世界
数の整列の「おとぎ話」
才能救った少女の一言
有限の世界で味わう無限
孤高の美しさ貫く「素数」

出版社・メーカーコメント

『博士の愛した数式』の著者の痛快エッセイ。数の不思議に魅せられた著者の「数にまつわる」書き下ろしエッセイのほか野球の話、本の話、犬の話などを収録。

著者紹介

小川 洋子 (オガワ ヨウコ)  
1962年、岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞受賞。1991年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年には、『博士の愛した数式』で読売文学賞と第1回本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)