
トーキョー・バビロン
出版社名 | 双葉社 |
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出版年月 | 2006年4月 |
ISBNコード |
978-4-575-23547-0
(4-575-23547-4) |
税込価格 | 1,870円 |
頁数・縦 | 613P 20cm |
書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
暗黒社会を舞台とした小説の書き手として知られる著者の馳星周氏は1965年北海道生まれ、以前『本の雑誌』において本名である坂東齢人の名で書評を書いていたこともある文芸評論家出身の作家である。1996年『不夜城』でデビューして以来、毎年 コンスタントに著作が刊行されている。今回の作品も今まで同様の作風で、かつてのバブルの寵児から転落し、暴力団に使われる身となっている宮前をはじめとする3人の敗残者の一発逆転を狙った大勝負を描いたものである。この作品も含め、著者の敗者に 対する視線は厳しい。彼らに光をあてるどころか、もがき苦しみさらに深い泥沼に嵌ってゆく姿を淡々と刻んでゆく。最後のほうでは大金をめぐる裏切りが相次ぎ、主人公が誰なのかわからなくなるほど話が入り組んでしまい、焦点がぼやけてしまった感があ る。自分の成功のために組んだ3人の仮そめの団結が、利害の衝突により無残に崩れ去る様にむなしさを感じ、打ちのめされた一冊である。(のり)
(2007年5月21日)
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