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顔のない敵 本格推理短編集

KAPPA NOVELS

出版社名 光文社
出版年月 2006年8月
ISBNコード 978-4-334-07639-9
4-334-07639-4
税込価格 943円
頁数・縦 287P 18cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 本格ミステリ作家として、手堅い仕事を続けている石持浅海氏の推理短編集である。今回のは”対人地雷”がキーワード。社会性のあるテーマが幅を与え、また閉鎖空間のトリックに定評のある著者の才能がいかんなく発揮されている作品である。意外な知識が得られたり、新たな発見があるのもまた愉しい。さらに、本書には著者の処女作が収録されている。処女作には作家のすべてがつまっていると云われるが、この一作もエレベーターの中での本格密室ミステリー。他の作品と比べてみれば、当時に比べ作品の厚みが全く違うことに気付かれるであろう。確かに石持浅海は進化している!そう実感できる1冊である。(のり)

    (2008年1月16日)

商品内容

要旨

1993年、夏。カンボジア、バッタンバン州。地雷除去NGOのスタッフ・坂田洋は、同僚のアネット・マクヒューと、対人地雷の除去作業をつづけていた。突然の爆発音が、カンボジアの荒れ地に轟く。誰かが、地雷を踏んだのだ!現地に駆けつけた坂田とアネットは、頭部を半分吹き飛ばされたチュオン・トックの無惨な死体に、言葉を失った。チュオンは、なぜ、地雷除去のすんでいない立入禁止区域に踏み入ったのか?そして、これは、純然たる事故なのか?坂田の推理が地雷禍に苦しむカンボジアの哀しい「現実」を明らかにする―。表題作を含め、「対人地雷」をテーマにした、石持浅海の原点ともいうべきミステリー6編と、処女作短編で編まれたファン待望の第一短編集。

おすすめコメント

本格の旗手・石持浅海の原点が、ここに! 世界初の「対人地雷」ミステリー短編集! 1993年、夏。カンボジア、バッタンバン州。地雷除去NGOのスタッフ・坂田洋は、同僚のアネット・マクヒューと、対人地雷の除去作業をつづけていた。突然の爆発音が、カンボジアの荒れ地に轟く。誰かが、地雷を踏んだのだ! 現場に駆けつけた坂田とアネットは、頭部を半分吹き飛ばされたチュオン・トックの無残な死体に、言葉を失った。チュオンは、なぜ、地雷除去の済んでいない立ち入り禁止区域に踏み入ったのか? そしてこれは、純然たる事故なのか? 坂田の推理が、地雷禍に苦しむカンボジアの哀しい「現実」を明らかにする――。表題作を含め、「対人地雷」をテーマにした、石持浅海の原点ともいうべきミステリー6編と、処女作短編で編まれたファン待望の第一短編集!

著者紹介

石持 浅海 (イシモチ アサミ)  
1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部を卒業後、食品会社に勤務。鮎川哲也編の『本格推理』(光文社文庫)に、秀作短編を発表したのち、光文社の新人発掘企画「カッパ・ワン」に応募した『アイルランドの薔薇』で、2002年に長編デビュー。2003年刊行の第二長編『月の扉』は、各種のベストテン企画に上位ランクインし、日本推理作家協会賞の候補にもなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)