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水銀虫

出版社名 集英社
出版年月 2006年9月
ISBNコード 978-4-08-774813-0
4-08-774813-8
税込価格 1,650円
頁数・縦 261P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 直木賞作家、朱川湊人氏の作品。今回のはものすごく怖いホラー短編集である。何がそんなに怖いのかといえば、表題の「水銀虫」という言葉。人の心に巣くって体中を這いずり回り、やがて無数の穴を空けてしまうという。この虫が至るところで登場する。”いたずらの虫”、”癇の虫”、”泣き虫”など、人の心の動きを表す言葉として、一般的にこの”虫”という言葉はよく使われるが、それらはいずれも負のイメージであることは間違いない。この「水銀虫」は『死にまつわる負の衝動』とでも言ったらよいだろうか、それは自殺願望となったり、人肉食であったり、近親カップルの逃亡の果てとなって表れる。封じ込められていた衝動が爆発するかのごとく、水銀虫の空けた穴から狂気が外に漏れ出すのである。受賞作では、ホラーの中にもノスタルジーを交え、柔らかな印象を与えた著者であるが、この作家の原点は別の処にあったのだと気付かせられる1冊である。(ノリ)

    (2008年1月27日)

商品内容

要旨

誰もが抱える水銀虫。彼らは人の心に寄生し、自殺へと導くのだ。読むほどに憂鬱になる、慰安と戦慄の七日間。

おすすめコメント

期待の直木賞作家が描く鬱小説。誰もが抱える水銀虫。彼らは寄生する人の心に宿り自殺へと導くのだ。水銀虫に導かれた者達の暗い一日を描いた7つの短篇集。

出版社・メーカーコメント

期待の直木賞作家が描く鬱小説。誰もが抱える水銀虫。彼等は寄生する人の心に宿り自殺へと導くのだ。水銀虫に導かれた者達の暗い一日を描いた7つの短篇集。

著者紹介

朱川 湊人 (シュカワ ミナト)  
1963年大阪府生まれ。出版社勤務を経て、2002年「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞受賞。03年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞受賞。05年『花まんま』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)