• 本

出版社名 扶桑社
出版年月 2007年7月
ISBNコード 978-4-594-05404-5
4-594-05404-8
税込価格 1,540円
頁数・縦 208P 19cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 生命と再生の物語☆

    「自分が知られては困る、ということを、全部引きずり出して書いていこうと思った。『命』に書かなかったこともすべて。自分に罰を与えるために」(柳さん談)。柳美里が別の男性のもとへ走ったために、東さんががんセンターでの診察を受けることができなかった朝を「黒」で、末期ガンの症状が進み、モルヒネの副作用で意識が混濁した亡くなるまでの2ヶ月を「白」で、なくなってからの6年間を「緑」で描いた連作小説集。圧倒的な筆力で心が震える。

    (2007年9月26日)

商品内容

要旨

処女喪失から不倫愛まで。柳美里『命』の真相。

おすすめコメント

真っ黒な『命』の真実。死の「黒」から遺灰の「白」、再生の「緑」へ……。「どれだけ、あの日に立ち返ったことか――。あの日、私が外泊しないで、二人で国立がんセンターに診察に行っていれば、東の癌は初期で見つかり――命を落とすことなく、今も生きていたわけです。その罪は重いです。東を失うという罰を受けても、罪が消えるわけではありません」東由多加と柳美里が出逢い、別れ、死に際に立会い、死者からの言葉が綴られた、衝撃的な傑作小説。

著者紹介

柳 美里 (ユウ ミリ)  
’68年神奈川県生まれ。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。’93年、『魚の祭』で第37回岸田國士戯曲賞を最年少受賞。’94年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。’96年、『フルハウス』で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞受賞。’97年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。’99年、『ゴールドラッシュ』で第3回木山捷平文学賞受賞。’01年、『命』で第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)