
書店レビュー
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生命と再生の物語☆
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- 高井文研堂イズミ店 (岡山県真庭市)
「自分が知られては困る、ということを、全部引きずり出して書いていこうと思った。『命』に書かなかったこともすべて。自分に罰を与えるために」(柳さん談)。柳美里が別の男性のもとへ走ったために、東さんががんセンターでの診察を受けることができなかった朝を「黒」で、末期ガンの症状が進み、モルヒネの副作用で意識が混濁した亡くなるまでの2ヶ月を「白」で、なくなってからの6年間を「緑」で描いた連作小説集。圧倒的な筆力で心が震える。
(2007年9月26日)
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商品内容
要旨 |
処女喪失から不倫愛まで。柳美里『命』の真相。 |
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おすすめコメント
真っ黒な『命』の真実。死の「黒」から遺灰の「白」、再生の「緑」へ……。「どれだけ、あの日に立ち返ったことか――。あの日、私が外泊しないで、二人で国立がんセンターに診察に行っていれば、東の癌は初期で見つかり――命を落とすことなく、今も生きていたわけです。その罪は重いです。東を失うという罰を受けても、罪が消えるわけではありません」東由多加と柳美里が出逢い、別れ、死に際に立会い、死者からの言葉が綴られた、衝撃的な傑作小説。