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麻雀放浪記 4

番外篇

文春文庫 あ7−6

出版社名 文藝春秋
出版年月 2007年11月
ISBNコード 978-4-16-732307-3
4-16-732307-9
税込価格 781円
頁数・縦 369P 16cm
シリーズ名 麻雀放浪記

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 阿佐田哲也氏の傑作博打小説『麻雀放浪記』シリーズも本巻をもって完結する。本巻では、これまで主役を務めてきた”坊や哲”はサラリーマンなっておりほとんど麻雀を打たない。このシリーズの終末を認識させられる内容で、順番に読んできた読者としてはちとさびしい。それとは対照的にゴロとして健在なのが上野(ノガミ)の健こと”ドサ健”である。そのイカサマの腕は全く錆びておらず、いくつもの鮮やかな技を披露してくれる。このシリーズは終戦直後から約二十年間の世相とともに歩んできた。社会がいったん解体された戦後の混乱期において、個人の才覚がものをいった時代から、復興と共に個人から組織へと社会の重心は変わっていった。博打の世界にも描かれたこの移り変わりは、本シリーズを通して読みぬく際の大きな道しるべである。(のり)

    (2008年4月10日)

商品内容

要旨

戦後も安定期に入った。私こと「坊や哲」は唐辛子中毒で身体を壊し麻雀から足を洗って勤め人となった。ある日、会社の仔分がおそろしく派手な毛皮の半オーバーに鍔の広いテンガロンハットをかぶった一人の男を連れてきた。ドサ健だった。そして私は、再び麻雀の世界に身を投じることになった。感動の完結篇。

著者紹介

阿佐田 哲也 (アサダ テツヤ)  
本名・色川武大、昭和4(1929)年、東京に生まれる。東京市立第三中学校中退。36年に「黒い布」で中央公論新人賞、52年に「怪しい来客簿」で泉鏡花文学賞、53年に「離婚」で直木賞、57年に「百」で川端康成文学賞、平成元年に「狂人日記」で読売文学賞をそれぞれ受賞。阿佐田哲也の筆名でも「麻雀放浪記」など著書多数。平成元年4月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)