21世紀は共生の時代だといわれています。多くの人々が，生涯を通じて多様なライフサイクルを送るようになってきた現代では，一人ひとりの在り方が尊重されながら，ともにかかわりあって生活する共生社会への方向性は明らかです。したがって，発達支援の概念も幅広く用いられるようになり，支援の活動や実践の基盤となる考え方や方策も，それぞれのニーズに応じて多様さをきわめ，しかも急速に進展しているといえるでしょう。そこで本書は，子どもの発達の障害とその支援の方法に関して，できるだけ時代や社会の要請に応えられる内容となるよう留意しました。特別支援保育・教育，心理臨床，社会福祉などを学んでいる学生，あるいはそれらの領域で実際に実践していたり，ボランティアなど市民活動にかかわっている人々に本書を活用していただき，ともに発達支援の新しいかたちを創っていきたいと願っています。（「まえがき」より）