• 本

猫を抱いて象と泳ぐ

出版社名 文藝春秋
出版年月 2009年1月
ISBNコード 978-4-16-327750-9
4-16-327750-1
税込価格 1,865円
頁数・縦 359P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • 伝説のチェスプレイヤー、“リトル・アリョーヒン”のひそやかな奇跡。チェスという1対1の戦いにおいて、テーブルの下にひっそりと猫を抱いた小さな青年が一人。彼と対戦したプレイヤーは口々に言います。“リトル・アリョーヒン”との対戦が生涯でベストの対局であった、と。彼の生きた証をこの小説で読み紡いでみてください。

    (2014年3月10日)

  • チェスの大海原へ大航海に出よう!!

    『いいか。よく考えるんだ。あきらめず、粘り強く、もう駄目だと思ったところから更に、考えて考え抜く。それが大事だ。偶然は絶対に味方してくれない。考えるのをやめるのは負ける時だ。さあ、もう一度考え直してごらん』そうマスターは言った。読み進めていくうちに広く深い海原に自分も静かに静かに潜っていく。リトル・アリョーヒンの慎ましやかな生き方に感動し、一筋の道を生き抜いたこの人をこそ’天才’と呼びたい。

    (2010年2月2日)

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商品内容

要旨

伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡。触れ合うことも、語り合うことさえできないのに…大切な人にそっと囁きかけたくなる物語です。

出版社
商品紹介

伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの、ひそやかな奇跡を描き尽くした、せつなく、いとおしい、宝物のような長編小説。

おすすめコメント

2009年は小川洋子さんの最高傑作で始まります。天才チェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡の物語。廃バスに住む巨漢のマスターに手ほどきを受け、マスターの愛猫ポーンを掻き抱き、デパートの屋上に閉じ込められた象インディラを心の友に、チェスの大海原に乗り出した孤独な少年。彼の棋譜は詩のように美しいが、その姿を見た者はいない。なぜなら……。海底チェス倶楽部、からくり人形、人間チェス、白い鳩を肩にとまらせた美少女、老婆令嬢……やがて最も切なく愛(いと)おしいラストへ。めくるめく小川ワールドをご堪能ください。(OM)

著者紹介

小川 洋子 (オガワ ヨウコ)  
1962年、岡山県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業。88年「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞、91年「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞。2004年「博士の愛した数式」が第55回読売文学賞、第1回本屋大賞を受賞。他の主な作品に「ブラフマンの埋葬」(2004年第32回泉鏡花文学賞)、「ミーナの行進」(2006年第42回谷崎潤一郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)