• 本

無理

出版社名 文藝春秋
出版年月 2009年9月
ISBNコード 978-4-16-328580-1
4-16-328580-6
税込価格 2,090円
頁数・縦 543P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • ネガティブタイトル群像劇シリーズ第3弾!!!

    毎回登場人物も背景も違うので飽きずに楽しめます。
    議員、女子高生、主婦、公務員、セールスマン・・そろぞれの主人公にスポットがあたり、少しずつ小出しに語られていく。彼らの生活がヤクザ、拉致、宗教、生活保護受給者、悪友などの外的要因に影響されて、人生の歯車を少しずつ狂わせていく。描かれているのは、自分にもいつか起こりうる目を反らしたい現代社会の現実。登場人物の細かな心理描写により、どの主人公にもつい感情移入してしまう。本を読み終わるまでは一人一人の行く先が気になって、仕事も手につきません。人は良くも悪くも影響し合ってしか、生きて行けない。思い通りに行かない事があっても、感情は押さえめにして事実を受け入れて、あとはなるようになる!というポジティブさが伺える。
    物語のラスト、皆の狂った歯車が一体どうなるのか、想像しながら読んでください。

    (2009年10月13日)

  • かなり無理

    日常生活の中にこんなに『かなり無理』と思うことがあるなんて・・・
    オムニバスで進むそれぞれの無理な話。最後に一つにつながるところがかなり『無理』

    (2009年10月9日)

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商品内容

要旨

合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。

出版社
商品紹介

人口12万人の寂れた地方都市・ゆめの。この地で鬱屈を抱えながら生きる5人の人間が陥った思いがけない事態を描く渾身の群像劇。

おすすめコメント

町村合併でできた人口12万人のゆめの市。古くからある商店街はさびれ、国道沿いの「ドリームタウン」が唯一の盛り場だ。この街で暮らす5人――社会福祉事務所で生活保護支給業務に就く相原友則、東京生活を夢見る女子高生の久保史恵、詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマンの加藤裕也、スーパーの保安員をくびになり、新興宗教に救いを求める堀部妙子、県議会に打って出る腹積もりの市議会議員・山本順一――が鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない事態に陥っていく。奥田ファン待望、『最悪』『邪魔』以来となる渾身の群像劇です!

著者紹介

奥田 英朗 (オクダ ヒデオ)  
1959年、岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て作家活動に入る。2002年『邪魔』で大藪春彦賞、04年『空中ブランコ』で直木賞、07年『家日和』で柴田錬三郎賞、09年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)