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悪人 上

朝日文庫 よ16−1

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2009年11月
ISBNコード 978-4-02-264523-4
4-02-264523-7
税込価格 594円
頁数・縦 265P 15cm
シリーズ名 悪人

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • このリアル感がたまらんと!

    東公園、三瀬峠、佐賀大和…。
    福岡に住み、登場人物同様にこのドライブコースを利用している人は多いはず。ならばぜひとも読んで欲しい脳に映像が直接飛び込んでくることまちがいなしです。そして、登場人物たちの方言のつかいわけ!これが同じ九州弁としか読めない人たちは少しかわいそうかも。さらに九州各地出身者たちの福岡に対する思いも「うーん、こんな奴おったなぁ」と。とにかく九州に住んだことがある人は一読を!120%の臨場感が作品のテーマとともに心を揺さぶります。もちろん、そうでない人も読んで欲しい作品です。
    読後に芥川の藪の中をもう一度読み返したくなった。

    (2010年4月3日)

商品内容

要旨

九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日々。そんな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か―。

出版社・メーカーコメント

福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の土木作業員に殺害された。二人が本当に会いたかった相手は誰だったのか? 佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、出会い系サイトへアクセスする。そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か? その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。誰がいったい悪人なのか? 事件の果てに明かされる殺意の奥にあるものは? 毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の最高傑作、待望の文庫化。

著者紹介

吉田 修一 (ヨシダ シュウイチ)  
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞、2007年『悪人』で第34回大佛次郎賞、第61回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)