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語感トレーニング 日本語のセンスをみがく55題

岩波新書 新赤版 1305

出版社名 岩波書店
出版年月 2011年4月
ISBNコード 978-4-00-431305-2
4-00-431305-8
税込価格 814円
頁数・縦 193P 18cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • ことばの持つ体臭を感じよ

    日本語の微妙なニュアンスは、“外国人泣かせ”だと聞いたことがあります。しかし、そんなニュアンスを使いこなすことこそ、日本語の醍醐味であるといえます。ここでは「何を伝えるか=意味」「どんな感じで伝えるか=語感」と位置づけ「語感」というものを理解していくことに重点を置いて、解説がなされています。特に表現するにあたっては、使う立場の「人」や対象となる「もの・こと」、用いる「ことば」などに関して、読み取る力を鍛えることが大事だと説いています。同じ物を指すのに「お勝手」「台所」「キッチン」と世代によって呼び分けていたり、「辛い」を“つら・い”“から・い”と前後の文脈からどちらの意味でどう読むのか判断したり、「うっかり」が不注意「つい」は無意識の場合などと使い分けたり、そうしたひろがりを理解しつつ、1つ1つのことばを選ぶ力をつけるには、この「語感トレーニング」が必要なのです。「あの人はどうしてこのことばを選んで使ったのか」「この文章を書いた人はどんな人物なのか」なんて、ついでに想像力も鍛えられそうです。

    (2011年6月14日)

商品内容

要旨

日本語をもっと使いこなそう!「快調」「好調」「順調」、もっとも調子がいいのはどれ?「過日」「先日」「この間」、どう使い分ける?誰もが思いあたる、「些細」だけれど「瑣末」ではない日本語の感触の違いを、語感研究の第一人者が解説する。Q&A形式で楽しく読める、“伝えたい思い”を“適切なことば”で送り届けるための55のヒント。

目次

第1部 言った“人”はどんな人?―「ピザ」と「ピッツァ」の違いとは(表現主体の陰翳)
第2部 言われた“もの”はどんなもの?―「紅顔」と「赤ら顔」、思い浮かべる顔は(表現対象の履歴)
第3部 “ことば”のにおいを感じるために―「ニホン、チャチャチャ」となぜ言わないか(使用言語の体臭)
結び 日本語の語感を考える―“体系”づくりの試み

著者紹介

中村 明 (ナカムラ アキラ)  
1935年山形県鶴岡市生まれ。1964年早稲田大学大学院修了。現在、早稲田大学名誉教授。専攻、文体論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)