• 本

これが見納め 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景

出版社名 みすず書房
出版年月 2011年7月
ISBNコード 978-4-622-07616-2
4-622-07616-0
税込価格 3,300円
頁数・縦 321,3P 図版16P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 傑作×10のネイチャーノンフィクションです

     今では耳慣れた言葉になってしまった『絶滅危惧種』。本書ではコモドオオトカゲ、アイアイ、マウンテンゴリラなどが取り上げられています。それらを取り上げた本は概ねシリアスですが、これは違います。ユーモアにあふれ思わずクスリとしてしまうことも多々あります。 しかし、事態は深刻です。1990年に刊行された「これが見納め」、本書に登場する生物の中にも、文字通り見納めになってしまったものもいます。
     最後の一文がいつまでもこころに残ります。(ぜひ読んで確かめて、そして唸って欲しい) 生物を保護するのに、これほど分かりやすく疑問の余地のない理由などないのです。

    (2012年5月9日)

商品内容

要旨

絶滅危惧種をとりまく状況は最初から、身もふたもなく絶望的。D・アダムスの名作ノンフィクション。序文はリチャード・ドーキンス。

目次

棒きれテクノロジー
ここにチキンあり
豹皮のピルボックス帽
夜の鼓動
盲目的恐怖
まれか、ややまれか
灰をかきまわす

出版社
商品紹介

『銀河ヒッチハイク・ガイド』のD・アダムスが絶滅危惧の動物たちに出会う旅。動物保護に必須なのは、愛と科学、そしてユーモアだ。

おすすめコメント

『銀河ヒッチハイク・ガイド』のダグラス・アダムスが世界中の絶滅危惧種を見に行くという少々不謹慎な(!)旅に出た。そこで目にしたのは……。1990年の刊行以来、愛読者の絶えない不朽のネイチャー・ルポ。待望の初邦訳である。種の存亡の瀬戸際にある生きものたちをとりまく荒涼たる現実、人間の浅はかさが生む悲喜劇や、動物たちそれぞれの興味深い生態が、小気味よいウィットと諧謔味満載で語られる。いたるところに皮肉のきいたドタバタ劇の奥には、ヨウスコウカワイルカの苦境をとことん思い描いて震えあがり、観光資源化したコモドオオオトカゲを目の当たりにして恥じ入ってしまう著者の、欺瞞のない鋭敏な眼差しがある。その観察眼は、天安門事件前の中国社会やザイール行政の腐敗へも向けられている。「まれか、ややまれか」の章で、モーリシャスの生物保護活動家たちの超人的な奮闘ぶりと、彼らの奇矯だが筋金入りの生活をユーモラスに写し取る手腕はアダムスの真骨頂。絶滅危惧種の保護活動は第一日目から絶望的なチャレンジだが、消えゆく生きものを守りたいという衝動を理屈を超えて引き受ける人々を、本書はからりと、しかも生き生きと描き出している。深刻なテーマだからこそ笑いの力を感じさせる、愛すべき、愛すべき一冊。

著者紹介

アダムス,ダグラス (アダムス,ダグラス)   Adams,Douglas
1952‐2001。イギリスの脚本家、作家。かけだしの頃はモンティ・パイソンにコントを書くなどして関わる。1978年に放送されたBBCのラジオ・ドラマ『銀河ヒッチハイク・ガイド』の脚本を執筆、その翌年に出版した小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』がベストセラーとなり、一躍人気作家となった。ほかにも小説やエッセイ、脚本の執筆に活躍し、イギリスのポップカルチャーを刺激する作家として愛された。2001年逝去
カーワディン,マーク (カーワディン,マーク)   Carwardine,Mark
イギリスの動物学者。本、雑誌、ラジオ、TVなどのメディアを通じ、生物や環境の保護を呼びかける活動を活発におこなっている
安原 和見 (ヤスハラ カズミ)  
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)