野いばら
出版社名 | 日本経済新聞出版社 |
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出版年月 | 2011年12月 |
ISBNコード |
978-4-532-17112-4
(4-532-17112-1) |
税込価格 | 1,650円 |
頁数・縦 | 284P 20cm |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
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そっと、ひそやかに思い返したい恋物語。
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おすすめ度
- すぐじ書店 (長野県長野市)
これは悲恋の物語なのだろうなという予感は読み始めてすぐにありましたが、読後の印象は、ただせつないだけではない、不思議な穏やかさに包まれる心地がしました。
もしもこの物語の読書感想文を書けと言われたら、とにかく素晴らしかったということを結論に何枚でも書けそうですが、逆にこの作品に対しては多くを語るのは野暮という気が、なぜだかします。作中の英国に咲く野いばらが、何よりも雄弁に全てを物語っています。ただそっと、ひそやかに、胸の内で野いばらの茂みの奥に想いを馳せたい、耳を澄ませば静かな音楽が聞こえてくるような、とてもうつくしい物語でした。(2012年4月3日)
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おすすめ度
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商品内容
文学賞情報 |
2011年
第3回
日経小説大賞受賞 |
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要旨 |
21世紀の英国。静かな田園地帯の丘に波打つ白い花の群生の清清しい香り。150年前、生麦事件直後の横浜で幕府の軍事情報探索の命を受けた英国軍人がいた。彼の日本人女性への秘めた想いが、日本原産の清楚な花を、欧州で蘇らせたのか―妻と別れ心にぽっかり穴のあいた縣和彦が種苗会社のM&Aの調査中、偶然手にしたかつての英国軍人の手記には、吹き荒れる攘夷の嵐に翻弄されながらも、自らの本分をひたむきに貫くしかない多くの名もなき人達が生きていた。手記に心奪われた縣はやがて未来へ一歩踏み出すきっかけを見いだす…グローバリズムの時代を生きる寄る辺なき現代人へ、はかなくて烈しい、時をこえた愛の物語。第3回日経小説大賞受賞。 |