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困ってるひと

ポプラ文庫 お9−1

出版社名 ポプラ社
出版年月 2012年6月
ISBNコード 978-4-591-13021-6
4-591-13021-5
税込価格 704円
頁数・縦 353P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • とにかく読んでほしい。

    とは、本書の帯についていることばですが、まさにそんな1冊です。著者の大野更紗さんのことを糸井重里さんなどのツイートで知った方も昨今は多いのではないでしょうか。かく言う私もツイッターで知り、彼女のブログをずっと読んでいました。著者はミャンマーの難民問題に取り組む東京の大学院生。しかしある日突然免疫疾患系の難病を発症してしまいます。自身の壮絶な闘病を彼女はきちんとした距離をもって文章に表し、持ち前の聡明さとユーモアで、現在の医療制度や社会福祉制度についてじゃんじゃん言及していきます。個人的に胸が締め付けられたのは、靴下を履くのにも一苦労するほど体の自由がきかない彼女が、お出かけのためにタイツをはく一連のエピソード。いやあほんと、とにかく読んでみてください。

    (2014年2月10日)

  • 大野さんは日本でほとんど前例のない難病にかかって、毎日が瀕死状態。なのにこんなにポジティブ。ページの向こうから「生きてるってすごいんだよー!どんなにつらくても大丈夫なんだよー!」と、圧倒的な力で叫んで来ます。命をかけて彼女は書いている。私もその想いにこたえなくてはいけない。誰かれかまわず、「この本読んで!」って、手渡したい!!

    (2013年7月25日)

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商品内容

要旨

ビルマ難民を研究していた大学院生女子が、ある日突然、原因不明の難病を発症。自らが「難民」となり、日本社会をサバイブするはめになる。想像を絶する過酷な状況を、澄んだ視点と命がけのユーモアをもって描き、エンターテイメントとして結実させた類い稀なエッセイ。

目次

絶望は、しない―わたし、難病女子
わたし、何の難病?―難民研究女子、医療難民となる
わたし、ビルマ女子―ムーミン少女、激戦地のムーミン谷へ
わたし、入院する―医療難民、オアシスへ辿り着く
わたし、壊れる―難病女子、生き検査地獄へ落ちる
わたし、絶叫する―難病女子、この世の、最果てへ
わたし、瀕死です―うら若き女子、ご危篤となる
わたし、シバかれる―難病ビギナー、大難病リーグ養成ギブス学校入学
わたし、死にたい―「難」の「当事者」となる
わたし、流出する―おしり大虐事件
わたし、溺れる
わたし―「制度」のマリアナ海溝へ、マジ難民―難民研究女子、「援助」のワナにはまる
わたし、生きたい(かも)―難病のソナタ
わたし、引っ越す―難病史上最大の作戦
わたし、書類です―難病難民女子、ペーパー移住する
わたし、家出する―難民、シャバに出る
わたし、はじまる―難病女子の、バースデイ

出版社・メーカーコメント

難民を研究していた大学院生女子がある日突然原因不明の難病を発症。想像を絶する過酷な状況を、澄んだ視点と命がけのユーモアをもって描いた類い稀なエッセイ!

著者紹介

大野 更紗 (オオノ サラサ)  
1984年、福島県生まれ。上智大学外国語学部フランス語学科卒。上智大学大学院グローバルスタディーズ研究科地域研究専攻博士前期課程休学中。学部在学中にビルマ(ミャンマー)難民に出会い、民主化運動や人権問題に関心を抱き研究、NGOでの活動に没頭。大学院に進学した2008年、自己免疫疾患系の難病を発病する。1年間の検査期間、9か月間の入院治療を経て退院するまでを綴った『困ってるひと』で作家デビュー。2012年、第5回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)