
その街の今は
出版社名 | 新潮社 |
---|---|
出版年月 | 2006年9月 |
ISBNコード |
978-4-10-301831-5
(4-10-301831-3) |
税込価格 | 1,320円 |
頁数・縦 | 141P 20cm |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
-
-
-
おすすめ度
- 平山書店 (秋田県大仙市)
本作は2006年、第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。また、2007年に第23回織田作之助賞大賞受賞、第136回芥川賞候補となった作品である。当時の芥川賞選評にはこうある。「大阪のミナミという街の今を克明に描写しつつ、喫茶店でウェイトレスをしている28歳の女性の、かつてのミナミの写真になぜか執着する日常を描いて、柴田氏は非凡な才を見せている」(宮本輝)。同様に宮本輝氏が推したのは、青山七恵さんの『ひとり日和』であった。結局受賞の栄誉は『ひとり日和』の上に輝くこととなったが、著者がこの作品で見せた才能は受賞作に引けをとらず多くの読者に颯爽とした印象を与えるだろう。(のり)
(2007年12月31日)
-
おすすめ度
-
商品内容
文学賞情報 |
2006年
第23回
織田作之助賞 大賞受賞 |
---|---|
要旨 |
わたし、昔の大阪の写真見るのが好きやねん。その、どきどきの中毒みたいな感じやねん―。過ぎ去った時間の上に再生し続ける街の姿に、ざわめく28歳の気持ちを重ねて描く。 |
おすすめコメント
この街も、あの人も、すぐ近くにいるのに、なんで手が届かへんのやろ。わたし、昔の大阪の写真好きやねん。その、どきどきの中毒みたいな感じやねん――。わたし、二十八歳、会社が倒産してカフェでバイト中。合コンには初参加。そして最近会うようになったのは年下の良太郎……。過ぎ去った時間から切り離されているようでいて確かに続いている街の今を、丁寧に静謐に描き出す新境地の長篇小説。