• 本

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか

出版社名 草思社
出版年月 2006年10月
ISBNコード 978-4-7942-1538-3
4-7942-1538-X
税込価格 2,530円
頁数・縦 430P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • なぜ大惨事は起こるのか

    必ず年に何度か、世界のどこかでは重大な事故が起きている。事故が起きたということは報道されても、その後の調査の結果がどうなったのかが知らされる事はほぼ無いといって良い。例えばチェルノブイリの原発事故の原因を知っている人は果たしてどれだけ居るだろう。でも、本当に大事なのは「その後の調査」の方なのだ。多くの事故は、元をたどれば本当に下らないことが原因で起きたりする。それはちょっとドアを閉める力が弱かったとか、つい些細なミスを報告しなかったとか、そんなものだったりする。そして、そんな下らないミスが”偶然”同時に重なったときに、取り返しのつかない惨事が引き起こされるのだ。この本では、個別の事例にとどまらない一般的な原因や対策を抽出されているので、あらゆる分野において参考になるだろう。時系列がごちゃごちゃしていて分かりにくいのが唯一の欠点か。

    (2007年2月4日)

商品内容

要旨

誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたのか?原発事故から高層ビル倒壊まで、50あまりのケースを紹介しつつ、巨大事故のメカニズムと人的・組織的原因に迫る。

目次

より巨大に、より高エネルギーに
信じがたいほどの不具合の連鎖
スリーマイルアイランド原発事故
「早くしろ」という圧力に屈する
テストなしで本番にのぞむ
最悪の事故から生還する能力
大事故をまねく物質の組みあわせ
人間の限界が起こした事故
事故の徴候を感じとる能力
危険にたいする健全な恐怖
あまりにも人間的な事故
少しずつ安全マージンを削る人たち
最悪の事故を食い止める人間

おすすめコメント

飛行船墜落や原発事故、毒ガス漏出など50あまりの事故を紹介。誰がどのように引き起こしたか、食い止めたか、人的要因とメカニズムを描く。

著者紹介

チャイルズ,ジェームズ・R. (チャイルズ,ジェームズR.)   Chiles,James R.
米国の技術評論家。1955年生まれ。ハーバード大学卒業、テキサス大学ロースクール修了。科学技術と産業、社会の関係を考察する記事を雑誌に寄稿している。寄稿先は「スミソニアン」「エア・アンド・スペース」「オーデュボン」など。単行本の出版は『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』が初めて。ミネソタ州ミネアポリス市在住
高橋 健次 (タカハシ ケンジ)  
1937年生まれ。慶応義塾大学英文科卒業。出版社勤務を経て翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)